骨折に悩まされるアスリートも多いようですね。骨折予防には、カルシウムの摂取が大切だと知られていますが、その吸収を助けるビタミンDも重要です。
ビタミンDは、カルシウムの腸管からの吸収と腎臓での再吸収を促進し、骨の形成と成長を促します。長期間にわたって不足すると低カルシウム血症となり、骨吸収(骨が壊れる)が亢進。子どもではくる病、成人では骨軟化症、高齢者では骨粗しょう症を発症し、骨折の危険性が高まります。
食品からか日光から
ビタミンDの供給源は2つあります。1つは、食品から摂取するビタミンD2、ビタミンD3。もう1つは、日光の紫外線により皮膚に存在するプロビタミンDが活性化され、ビタミンD3が産生されます。
屋外スポーツのアスリートは、日照により産生されるビタミンDが期待できますが、屋内スポーツの場合や、日照時間の少ない地域に住む方、皮膚がんやしみができることを恐れて日に当たることの少ない方は、食品からビタミンDを摂る必要があります。
食事摂取基準では、成人の目安量は男女とも1日あたり5.5μgとなっていますが、十分な科学的根拠がないため、骨折の危険性の高いアスリートは積極的に摂ったほうが良さそうです。
ビタミンD2はキノコ類に、ビタミンD3は魚類(魚肉や肝臓、魚卵)や卵黄(ビタミンD強化卵はビタミンD2が強化)に多く含まれています。シラス干しや煮干しは、カルシウムもビタミンDもどちらも豊富です。魚嫌いの人は、料理にキノコを使うようにすると良いでしょう。【管理栄養士・今井久美】