サンマが旬を迎える秋に、ともに旬を迎える青い柑橘類のかぼす。ビタミンCたっぷりの果汁とさわやかな香りが食をそそります。
国内のかぼす出荷量の95%以上が大分県産。江戸時代に苗木を大分県臼杵市で栽植したのが始まりとされており、昭和40年代頃に産地化。今年、農林水産省が定める地理的表示(GI)保護制度に「大分かぼす」として登録されました。
よく似ている香酸柑橘類にすだちがありますが、かぼすがテニスボールくらいの大きさなのに対し、すだちはひと回り小さいゴルフボールくらいの大きさ。ちなみにすだちは徳島県で9割以上が生産されています。
かぼすの味の特徴は、香酸柑橘類の中でも酸味が強すぎず、甘味が強いこと。大分県カボス振興協会によると、柑橘類の味覚センサーで酸味、甘味、苦味、塩味、苦味雑味を分析したところ、ゆず、すだち、レモン(海外)が五角形に近い形をしているのに対し、かぼすは甘味が突出しているといいます。
かぼすは甘味=優しい味わいで、メーン食材の本来の味を損なわず、引き立て役として活躍できているようです。