ビタミンKには、血液を固まらせる、骨の形成を助ける、動脈の石灰化(動脈硬化)を抑制する働きがあります。欠乏すると出血傾向、つまり、ケガをしても血が止まりにくくなります。
天然のビタミンKには大きく分けて2種類、フィロキノン(ビタミンK1)と11種のメナキノン類があります。その中で栄養上重要なのが、フィロキノンとメナキノン-4(ビタミンK2)、メナキノン-7です。
フィロキノンはホウレン草、小松菜、ブロッコリー、海藻類に多く、メナキノン-4はチーズや鶏肉、卵黄に多く含まれます。メナキノン-7は納豆菌によって作られ、大豆ではなく納豆に含まれています。
妊婦や授乳婦は積極的に
メナキノン類は私たちの腸内細菌でも産生されるため、通常の食生活をしている人は、ビタミンK欠乏症は発生しないといわれています。しかし、それだけでは潜在性のビタミンK欠乏症に陥る危険性があるため、食事からの摂取も必要です。
特に妊婦や授乳婦は、積極的な摂取がすすめられます。ビタミンKは胎児に移行しにくく、新生児にビタミンK欠乏症が発生しているからです。なお、過剰症の報告は、現在のところありません。
油と一緒で吸収力アップ
また、ビタミンKの不足は骨折のリスクを高めるとも報告されています。激しい運動により、骨折する危険性があるアスリート。納豆が嫌いな人は、ビタミンK1を多く含む緑黄色野菜、ビタミンK2を多く含むチーズや鶏肉を多く食べた方が良さそうです。なお、ビタミンKは脂溶性のビタミンなので油を使った料理と一緒に摂うと、吸収率は高まります。
参照:日本人の食事摂取基準2015年度版