ビタミンB6は水溶性のビタミンで、化学名でピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンの3種類があり、それぞれ同じ働きをしています。タンパク質の代謝に必要で、アスリートにとって大切な栄養素です。
タンパク質は、体の中でアミノ酸に分解され、各器官に運ばれ、さらに筋肉や内臓などを作るタンパク質に合成されますが、このときに必要なのがビタミンB6です。また、神経伝達物質であるセロとニン、ドーパミン、アドレナリンなどの合成や、脂質の代謝、赤血球合成などにも関わっています。
ビタミンB6は動物性食品であるマグロ、カツオ、サケといった魚類、鶏肉やレバーなどの肉類、植物性食品ではニンニクや唐辛子、ピスタチオ、バナナ、玄米など幅広い食品に含まれています。特に動物性食品に多く含まれますので、植物性食品ばかりに偏らず、肉や魚を摂りましょう。
不足すると、脂漏性皮膚炎など皮膚炎、口内炎、口角炎、舌炎、貧血、脂肪肝が起こります。過剰症では、手足のしびれや痛みといった感覚神経障害が見られることが報告されています。
通常の食事を摂っていれば、不足することは少ないといわれていますが、筋肉量を増やしたいアスリートはタンパク質の摂取量が多くなるため、一緒にビタミンB6も増やす必要があります。
水溶性ビタミンですが、熱には比較的強いのも特徴です。しかし、光によって分解されてしまうため、食材は日光の当たらないところに保存した方が良いでしょう。【管理栄養士・今井久美】