冬至といえば、ゆず風呂に入り、カボチャを食べる習慣があります。
実は、カボチャの収穫時期は冬ではなく夏なのですが、収穫直後より少し貯蔵した方が甘みが増しておいしくなるため、秋から冬にかけて出回ります。
では、なぜ冬至にカボチャを食べるようになったのでしょうか。
βカロテンが豊富で抗酸化作用があり、保存性も高いカボチャは、緑黄色野菜の少ない冬場に非常に重宝されます。寒い時期は血管が収縮するため血圧が上がり、脳卒中(脳梗塞や脳出血)が増加するため、それを予防する目的もあって、1年のうちで最も夜が長い日に食べられるようになりました。
カボチャにはそのほか、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化ビタミンも多く、カリウム、鉄、食物繊維といった日本人が不足しがちな栄養素も多く含んでいます。きれいな黄色も食欲を増進し、和食にも洋食にもお菓子にも合い、日持ちもする食材の優等生です。
現在流通しているものは西洋カボチャが多く、ホクホクとした食感で栗のように甘い栗カボチャが人気です。中でも「マロン」という品種は栗の香りがし、まさに栗を食べているような味がします。
カボチャを切るのが面倒な人は、冷凍のカボチャを利用するといいでしょう。冷凍技術が進歩し、栄養価の高い旬の時期に加熱・冷凍してあるため、生のものに劣りません。
【管理栄養士・今井久美】