お正月はお雑煮や焼き餅などお餅をたくさん食べたことでしょう。1月11日は、正月に神棚や床の間に供えておいた鏡餅をおろして食べる「鏡開き」の日でもあります。「切る」「割る」といった言葉を避けて「開く」といい、餅は刃物を使わずに小さく割って食べられてきました。

粒あんのしるこ。右は「懐中じるこ」
粒あんのしるこ。右は「懐中じるこ」

ところで、小豆あんで作った汁に砂糖で甘みをつけ、餅や白玉だんごなどを入れた料理を「しるこ」や「ぜんざい」と呼びますが、その違いをご存知ですか。

一般的には、水分の多いこしあんや粒あんなどで作った小豆汁に餅や白玉を入れたものを「しるこ」、主に小豆を砂糖で甘く煮て、餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れたものを「ぜんざい」と言います。小豆の粒がないものは、基本的にぜんざいとは言わないようです。

ただ、地域によって呼び名は異なります。

関東では、汁気のあるものを「しるこ」とし、こしあんを使ったものを「御前じるこ」、つぶあんを用いたものを「田舎じるこ」、汁気のないものを「ぜんざい」と呼んでいるようです。

一方、関西ではこしあんが使われているものを「しるこ」、つぶあんが使われているものを「ぜんざい」という風に区別。九州の一部地域では、お餅が入っているものを「しるこ」、白玉団子が入っているものを「ぜんざい」と分けるとか、北海道では「明確な区別がない」という地域もあり、かなり特色があるものといえます。

変わったものでは「懐中じるこ」というものもあります。さらしあんに砂糖を加え、もなかの皮で包んだもので、持ち運びできることからこの名があります。器に入れ、湯を注ぐだけで簡単にしるこを作ることができます。

また、しるこには塩昆布やシソの実が付け合わせられていることがあります。これは、甘いしるこにしょっぱいものを添えることにより、甘みを引き立て味を引き締める役割を果たしています。

しるこもぜんざいも、糖質が豊富で脂質が少なく、アスリートの補食にもなります。冬は温め、夏は冷やしてフルーツなどもトッピングし、お正月だけでなく一年中楽しめます。

【アスレシピ編集部】

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