以前、「下痢・便秘改善にはビフィズス菌、免疫力アップには乳酸菌」「腸内細菌には『デブ菌』『ヤセ菌』がある」と2つのコラムでお伝えしたように、腸内細菌は私たちが生きていく上でたくさんの働きをしています。
その働きは、ビタミン(B2、B6、B12、K、葉酸、パントテン酸、ビオチンなど)の合成、病原菌の侵入防止や排除、短鎖脂肪酸の合成、神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの合成、ビリルビンの代謝(代謝されてできたステルコビリンは便の色の元)、食物繊維を分解して水素を産生(抗酸化作用がある)などがあります。
アスリートにとって、うれしい作用も多くあります。代謝に必要なビタミンB群を作る、エネルギーの代謝を高める、病気を予防する、ドーパミンによりやる気を高める、セロトニンによりリラックスできる、運動による酸化を防ぐなど。
その他にも鉄を還元し、吸収率を高める効果もあります。アレルギー疾患、自閉症、がん、腸炎、肥満との関連性があるとも報告されています。
では、腸内細菌とうまく共存するにはどうしたら良いでしょうか?
腸内細菌は約3万種類、良い菌(善玉菌)、悪い菌(悪玉菌)、どちらでもない菌(日和見菌)があり、それら合わせて体内に100兆~1000兆個が生息していると言われます。
悪い菌がなくなるのが良いわけではなく、バランスが大切。悪い菌が優位にならないように、良い菌に頑張ってもらうことです。そのために、えさになる食物繊維(水溶性食物繊維)やオリゴ糖を積極的に摂りましょう。
【管理栄養士・今井久美】