猛暑日続きの今年は、例年以上にたくさんの汗をかいていることでしょう。
汗の成分は、大部分が水です。そのほかミネラルとして、ナトリウム0.9g/l(グラムパーリットル※)、カリウム0.2g/l、 カルシウム0.015g/l、マグネシウム0.0013g/l、ミネラルの中でも微量栄養素として、鉄1mg/l、銅0.3~0.8 mg/l、亜鉛0.4mg/l、クロム0.1mg/lなどが含まれます。
汗は血液からできているので、体温が上がると血液が体表面の血管に移動し、発汗をして体温を下げます。水分の補給がなければ、体(特に中心部)の血液量が減って脱水状態となり、体温が上昇していきます。そして、熱中症が起こるのです。
熱中症の状態で水分だけ補給しても、血液のミネラル濃度を一定に保とうとする働きから、水分を尿として排泄してしまうため、脱水は改善しません(自家性脱水)。市販のスポーツドリンクはミネラルを含んでいるものもありますが、微量栄養素は含まれていません。
汗で失われたミネラルや微量栄養素は、食事で補いましょう。暑いと、熱を作る(産熱)働きは抑制され、エネルギー消費が減るため、食欲も減りますが、ミネラルや微量栄養素の多い肉、魚、野菜、海藻、果物、ナッツ類といったおかずをしっかり食べると、熱中症や夏バテ予防になります。汗をかいた時ほど、おかずを食べるということを意識してみてくださいね。
※1リットルに溶けている量(グラム)
参考:環境省熱中症環境保健マニュアル2018
【管理栄養士・今井久美】