夏に背が伸びると、感じたことがある人も多いと思います。実際に、成長には季節性があり、夏に身長の伸びが大きく、冬は小さくなります。
理由はビタミンD。夏は日照時間が長く、紫外線を浴びることで作られるビタミンDが多くなり、カルシウムの吸収率が高まります。その結果、成長期には夏に背が伸びるのです。骨密度も高まるために、骨折が少ないことも報告されています。
それでは、冬に背を伸ばすにはどうしたら良いでしょうか?
屋外で行う競技であれば、冬でも十分過ぎるほど紫外線を浴びますが、屋内競技の場合、適度な日光浴を行うことが必要です。北海道と沖縄では紫外線の量が違うため一概には言えませんが、どれくらいの日光浴が必要なのでしょうか?
残念ながら、冬場に背を伸ばすための日光浴の目標時間は定められていません。生後6カ月の乳児がビタミンD不足にならないためには、帽子なしの着衣状態で1週間に2時間、おむつだけの状態で週20分の日光浴が必要だという報告があるだけです。
また、高齢者ではフレイルティ(虚弱)の予防のために、晴れた日なら10~15分、曇りなら30分程度、屋外で過ごすことが推奨されています。
最近では、皮膚がんの予防のために、紫外線を避けたり、日焼け止めを塗ったりする傾向がありますが、成長や骨を強くするためには、屋外で過ごす時間を増やすようにした方が良いでしょう。また、食事からもビタミンDは増やせます。キノコ、魚類などビタミンDを多く含む食材を意識して摂りましょう。
【管理栄養士・今井久美】