適度な緊張感はやる気を高め、良いパフォーマンスにつながりますが、過度なストレスは体も心も不調をきたします。スポーツの分野でも、メンタルトレーニングが重要視されていますが、ストレスとうまくつき合う、ストレスに負けないための食事のコツを紹介します。
まず、ストレスは免疫系、神経系、内分泌(ホルモン)系に作用します。ストレスによってエネルギーの必要量が高まり、体内でタンパク質の分解が亢進。ビタミンCの消費が増えて血中のビタミンC濃度が低下します。エネルギー代謝も高まるため、ビタミンB群の必要量も増加します。
栄養素補う必要あるのに食欲低下
しかし、交換神経の活動が優位に立ち、副交感神経の活動は抑えられるので、副交感神経が関与する胃腸の働きは悪くなり、食欲は減退します。不足する栄養素を補わなければならないのに、食欲が低下するという悪循環に陥るのです。
消化の良い「鍋物」がおすすめ
それを解消するには、消化の良いものを積極的に食べることです。
タンパク質量を増やすには、肉や魚をしっかりとりたいところですが、脂っこいものは消化が悪いので、油脂を控えた調理法がおすすめです。これからの季節なら、鍋料理にすると、豆腐や野菜も食べやすく、タンパク質だけでなくビタミンB群やビタミンCも補えます。
補食にミカンなどの果物を食べるとビタミンCが補えます。かんきつ類や国産のキウイフルーツはこれからが旬なので、食卓に上る機会も増えるでしょう。また、ヨーグルトは整腸作用と免疫力アップが期待できます。
食欲なくても規則正しい食事
そもそも「食べる」という行為には、リラックス効果があり、自律神経を整えてくれます。食欲がなくても決まった時間に食事をすることがストレスを軽減します。
3度の食事+補食を規則正しく食べることが、結果としてストレス対策になるのです。ぜひ、心がけてみてください。
【管理栄養士・今井久美】