最近よく聞く言葉に「食品ロス」があります。環境省の報告では、平成27年度の食品廃棄物等は約2842万トン、このうち、食べられるにも関わらず捨てられた食品は約646万トンと推計されました。

つまり、捨てられている食品のうち約22%がまだ食べられるものであり、これが「食品ロス」になります。このうち、家庭から出された「食品ロス」が289万トンと約45%を占めています。

また、平成27年度の供給された食品は、国民1人あたり2416kcal(農林水産省食料需給表)なのに、摂取量は1889kcal(厚生労働省国民健康・栄養調査)。流通している食材の約22%が摂取されておらず、このデータからも大量の食品が無駄になっていることが分かります。

環境省は2018年6月、家庭由来の食品ロスを2030年度までに半減させる(対2000年度比)という数値目標を発表しました。

必要以上に買い過ぎない

では、家庭できる食品ロス対策を考えてみましょう。

1.賞味期限や消費期限の近い食材から購入し、早く食べる
2.規格外の野菜や果物を購入する
3.お中元などのもらい物や買い過ぎで食べきれない食材をシェアしたり、福祉施設やリサイクルセンターに寄付する(=フードドライブ)

さらに大切なのは、必要以上に買い過ぎないことです。スポーツに励む育ち盛りのお子さんがいるご家庭は食べる量も多く、買い物も一仕事だと思いますが、だからこそ信頼できる食材を購入し、残さず使い切る工夫が必要です。

1つでも心がけて無駄なくす

より具体的な方法として、以下があります。

メニューを決めてから買い物をする
食材を保存する場所を決めておき、一目で見えるように保管する
消費・賞味期限をリスト化する
食材に合った保存方法で保存する
ホームフリージングを活用する
ピクルスやオイル漬けなど保存食を作る
週に1回冷蔵庫、月に1回食品棚の整理を行う

実際にすべてを実行するのは大変ですが、日々の買い物や食事作りでこれらを心がけることが、食品ロスの削減につながるでしょう。

【管理栄養士・今井久美】