平成も間もなく終わり、今年はラグビーワールドカップ、来年には東京オリンピックが開催されます。

それに向けて昨年6月、15年ぶりに食品衛生法が改正され、食品の製造・加工・調理・販売などを行う全事業者に対して、食の安全性を維持する国際基準、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務づけられました。国内外に日本の徹底した衛生管理を示すためにも、経過措置期間を経て、2020年6月から義務化されます。

2020年6月から義務化

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品を製造する業者が行う衛生管理の手法で、アメリカのNASAで、宇宙食の安全性を確保するために発案されました。原材料の搬入から、製造、包装、出荷まで全ての工程で起こりうる食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因食を分析し、その危険を回避するための衛生管理を科学的根拠に基づいて行います。

それぞれの段階の衛生チェックポイントに基づき、検査・確認・記録を行います。例えば、原材料の搬入時に適正な温度で納品されているか温度を測定し、チェックシートに記入する、などです。

大手の食品工場や給食施設では既に導入されていますが、対象業種が食品の小売店や飲食店にまで広がります。これにより、今まで以上に食品の安全性が確保されますが、新たに導入するための対応に追われている小売店もあるようです。

食の安全を守るために、食に関わるすべての人が時間と労力をかけて衛生管理を行うことになります。SNSでコンビニエンスストアや飲食店で食品に悪ふざけをして炎上することが度々ありますが、これにより抑制されることも期待します。

【管理栄養士・今井久美】

参考:厚生労働省「HACCP」、「食品衛生法の改定」