昨年の夏は歴史的な酷暑で、熱中症による事故が相次ぎました。高温多湿の夏を過ごす私たち日本人にとっては身近な熱中症ですが、訪日する外国人の約半数は認知していないことが、熱中症予防声かけプロジェクト事務局の調査でわかりました。
「熱中症を知っていますか?」という質問に、日本人(680人)の92.2%が「言葉も内容も知っている」と回答したのに対し、訪日外国人(87人)は54.0%と約半数。そのほかの3割の人は「言葉は聞いたことがある」と回答していますが、1割強の人は「知らない」と回答しており、熱中症があまり認知されていないことがわかる結果となっています。
ただ、日本人は熱中症について認知している一方で、予防や対策をしているという人は、訪日外国人と同程度の約7割にとどまっています。行っている予防・対策は「こまめに水分補給する」「適度に休む」が、日本人/訪日外国人ともにトップ2ですが、訪日外国人で3位の「温度・湿度に気をつける」は日本人では5位と低く、代わりに「日傘や帽子を使う」「天気予報を確認する」が上位に入りました。
熱中症対策には「暑さ指数(WBGT)」が指針になります。暑さ指数とは、人間の熱バランスに影響の大きい「気温」「湿度」「輻射熱(地面や建物、体から出る熱)」から熱中症の危険度を判断する数値ですが、「言葉も内容も知っている」という人は、日本人17.5%、訪日外国人12.6%と、ともに低い割合でした。