ジュニアアスリートの食トレをサポートする際、食事の時に声掛けをするのとしないのでは、子どもの食事量に変化があり、肯定的な声掛けをすることで、食べて欲しい食品の摂取が2倍になったという米ワシントン州立大の研究報告があります。
「〇〇を食べないと強くなれない」といった否定的な声掛けではなく、「〇〇を食べると身長が伸びるよ」「△△を食べると筋肉がついて足が速くなるよ」のような肯定的な声掛けをすることで、「体を大きくしたい」「速く走れるようになりたい」と本人の向上心に働きかけることができ、その食品がより魅力的なものに感じられ、摂取量が増えるということです。
栄養教育の分野でも、行動を変容させるには、その行動をしなかった場合のデメリットより、した場合のメリットを説明し、その行動をすることができるという気持ち(自己効力感)を高めることが必要だとされています。
選手に「この食品は自分にとって価値のある食べ物だ」と理解させ、「この食品をこの程度なら食べられそう」という気にさせるために、肯定的な声掛けをするのです。
保護者にとって、毎日の食事の準備をするだけで大変ですし、忙しいと「〇×を食べないとダメじゃない」と思わず口から出そうになりますが、そこをグッとこらえ、肯定的な声掛けを実践してみてください。
【管理栄養士・今井久美】