試合や大会などの目標に向けて練習をしている時は、いつも以上に集中し、実力が上がっているのを感じられる充実した時期です。しかし、それが終わるとホッとする反面、急に無気力になってしまうことがあります。

また、希望をもって努力していたのに思うような成果が出せなかった時は、ふとしたことで、やる気を失ってしまうこともあります。行動しないことでよりやる気をなくす、といった負のスパイラルに陥らないために、「行動する」ための食事をお伝えします。

休息とご褒美でやる気

まず、無気力になってしまった時は疲れを取るために「休息」が必要です。良質な睡眠がとれるように自律神経を整えましょう。

食事は時間を決め、食欲がなくても欠食を避けます。夕食や夜食に、セロトニンを増やすトリプトファンを多く含む乳製品などを摂り、睡眠前は、副交感神経が優位になるようリラックスできる環境を作ってください。

次に、「これをしたら自分の好きな食べ物を食べよう」といったように「ご褒美」を決めましょう。結果や報酬があることで、行動につながるからです。「これをしたら好きなアイスクリームを食べる」「これができたら焼き肉を食べる」など、あえてご褒美で動機を作ります。

行動のハードル下げて気合

また、やる気がない時でも、一度やり始めてしまえば最後までできてしまうことも多いですよね。まずはやり始めることが大切なので、行動するためのハードルを下げましょう。例えば、1時間の筋トレを行いたいなら、最初は15分、といったように「やれそう」な目標を設定することです。

さらに、行動する前は「気合」を入れます。アドレナリンやノルアドレナリンを増やすことで、体と脳が行動体制をとります。相撲の前に体をパンパンとたたくように頬などを軽くたたいたり、元気が出る音楽を聴いたりするのもアドレナリン分泌を促進します。

食事では、カフェインがアドレナリンの分泌を促進します。コーヒーやお茶、ココア、チョコレートなどを行動開始の直前に摂るといいでしょう。カフェインの効果は30分~1時間。脳のやる気を高めるノルアドレナリンはチロシンから合成されます。

いわゆる「ロス状態」になってしまったら、これらを試してみてください。

【管理栄養士・今井久美】