今年、流行したものと言えば、「タピオカドリンク」ですね。タピオカは南米原産のイモ、キャッサバから取れるでんぷんです。キャッサバは、甘みの少ないサツマイモのような味で、食用で売られているキャッサバでんぷんには少し甘みがあります。

片栗粉やくず粉、コーンスターチといったでんぷんと同様、タンパク質や脂質をほとんど含まず、炭水化物が主な栄養素です。ただし、食物繊維はほとんど含まれず、エネルギーになる糖質で、でんぷんの中ではカリウムが多く、カルシウムやマグネシウムも含まれています。

このことから、タピオカドリンクをアスリートが利用するなら、飲み物というよりも「エネルギー補給のための補食」として利用することをおすすめします。

無糖タイプでエネルギー補給の補食に

ほとんどの飲み物に含まれる糖質は、瞬時にエネルギーに変わる単糖類や二糖類が多いのですが、タピオカはでんぷんなので緩やかにエネルギーに変わります。空腹状態で運動を行う前や運動後のグリコーゲンの補完のために、または食欲がなく、食事量が十分に摂れない場合に飲むのが良いでしょう。

味やフレーバーなど、たくさんの種類があるタピオカドリンクの多くは、甘い味付けになっていますよね。運動前後はそれでも良いのですが、エネルギー補給を目的として食間に飲む場合は、ブドウ糖や砂糖など単糖、二糖類が含まれない無糖タイプを選ぶと、血糖値の急上昇や低下を防ぎ、疲れにくくなります。何より甘いドリンクの飲み過ぎは、余分なエネルギー摂取につながるので、注意が必要です。

【管理栄養士・今井久美】