激しい運動には、ケガがつきものです。ケガの回復を早める栄養素については、過去にお伝えした以下のコラムを参考にしてください。

コラーゲンの再生には

では、アキレス腱や靭帯(じんたい)を損傷した時は、どんな栄養素を摂れば回復が早まるでしょうか?

アキレス腱などの腱は筋肉と骨をつないでいる部分で、主にコラーゲンでできています。靭帯の主成分もコラーゲンです。

コラーゲンの再生には、タンパク質、ビタミンC、鉄、亜鉛が必要です。ケガや傷といえば、タンパク質をイメージしがちで、日頃からタンパク質や鉄を多く摂るよう努力している人もいるでしょう。だからこそ、亜鉛やビタミンCをあえて摂るよう心がけてください。

亜鉛を含む食材の代表は、カキ(牡蠣)です。冬場にはおいしいカキが出回ります。生食が心配な人は、カキ鍋などにして加熱をすれば安心です。

その他、貝類、ナッツ類、レバー、チーズなども亜鉛を多く含みます。チーズやナッツをおやつや補食に食べるのも良いでしょう。

ビタミンCは、多く摂っても排泄されてしまうので、ケガをした時は意識してビタミンCの多い果物や野菜を食べましょう。「高ビタミンC濃度療法が回復を早める」といった文献もあるほどです。ただし、負傷時は運動量が減るため、体重が増えがち。体重増加がアキレス腱や靭帯の負担になることもあるので、体重管理にも務めてください。

【管理栄養士・今井久美】