補食にチーズを食べているジュニアアスリートもいるでしょう。チーズといえば発酵食品。牛や羊の乳に、乳酸菌と凝乳酵素である「レンネット」を加えて凝固させ、乳清(ホエイ)を取り除いて発酵・熟成させたものです。

重量の約20%強がタンパク質

製造方法により様々な種類がありますが、栄養面ではタンパク質が多く、重量の約20%強がタンパク質です。これは肉や魚のタンパク質含有量に相当します。

チーズを作るには、その約10倍の量の牛乳や羊乳が必要で、それらの栄養が濃縮されているのがチーズです。カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウムなどのミネラル、発酵の段階で増えるビタミンB1、B2、脂溶性ビタミンであるビタミンA、Eなども豊富に含んでいます。

発汗で失われた塩分補給も

チーズの良いところは、ヨーグルトと同様に乳糖が発酵の段階で利用され、少なくなっているため、乳糖不耐症(牛乳でお腹がゴロゴロする人)の人でも食べられることが多いことです。また、種類にもよりますが、水分が少ないために日持ちし、持ち運びやすいこと。運動後の補食としても向いています。脂肪分や食塩量が多いことを気にする方もいますが、アスリートにとっては運動時に発汗して失われた塩分の補給にもなります。

ただし、ビタミンCをほとんど含まないため、果物や野菜と一緒に摂ると、不足するビタミンCが補えます。粉チーズなら、日持ちもし、調味料としても使いやすいですね。

次回は、チーズの種類について紹介します。

【管理栄養士・今井久美】