小麦には多くの種類があり、様々な食品に加工されています。薄力粉、中力粉、強力粉などがありますが、これらはタンパク質の含有量で分別され、その特徴を生かして加工されています。今回は小麦粉の種類と適した料理を紹介します。
薄力粉
タンパク質6.5~9.0%。タンパク質であるグルテンが少ないため、フワッ、サクッという食感で天ぷら粉にも使われています。粘りを出さないために、こねずに使用することが多く、カステラ、クッキーなど多くの菓子に加工されています。お好み焼きも薄力粉を使います。
中力粉
タンパク質7.5~10.5%。薄力粉よりもグルテンが多いため、もちっとした食感です。十割そば以外は、そばにも小麦が入っています。うどんやそうめん、そば、即席めん、和菓子、ビスケットなどに使われています。
準強力粉
タンパク質10.5~12.5%。こねて粘りを出すことで生地がよく伸びます。フランスパンや中華麺、餃子の皮、ピザなどに使用されます。
強力粉
タンパク質11.5~13.0%。小麦の中でもタンパク質の含有量が多く、小麦特有の味がします。生地が強く伸びて食パン、麩(ふ)に加工されます。ちなみに読み方は「きょうりょく」ではなく、「きょうりき」です。
デュラム・セモリナ粉
タンパク質11.0~13.0%。「セモリナ」とは小麦の胚乳部のことで、セモリナ粉とは穀物(小麦、稲、トウモロコシなど)の製粉で得られる粗い穀粉のことです。生地が非常に強く、伸びません。パスタやマカロニの材料として使われています。乾燥パスタは真空中でこねて生地の密度を高め、独特の食感を出しています。
ふすま(ブラン)
タンパク質約16%。小麦を粉にするときに出る殻のことで食物繊維が豊富です。ふすまをそのまま混ぜた粉は「全粒粉」と呼ばれ、シリアルやパン、クッキーなどに加工されています。
小麦胚芽
タンパク質約32%。小麦の胚芽部で成分の約3分の1がタンパク質です。ビタミンE、B群(特にB1とB6)、カリウム、リン、マグネシウムなどミネラルや食物繊維も豊富です。栄養強化のために、クッキーやクラッカー、ホットケーキミックスなどに添加されています。
このように、穀類の中でもタンパク質の多い小麦は、主食やおやつに使用されているだけでなく、ホワイトソースやカレールー、しょうゆの材料にもなっています。お米とは異なった栄養が含まれ、使われ方をしているので、特徴を知り、毎日の食卓に取り入れてくださいね。
【管理栄養士・今井久美】