以前のコラムで「ワクチン接種の前後に気をつけたい食事や生活のスタイル」をお伝えしましたが、新型コロナワクチンの接種後に食事や運動で気をつけた方が良いことはあるのか、検証していきます。

接種後1週間は激しい運動控えた方が◎

厚生労働省はホームページなどで、接種当日は「激しい運動や過度の飲酒等は控えてください」と呼びかけていますが、シンガポール保健省では「ワクチン接種後1週間は激しい身体活動を避ける必要がある」と勧告しています。

厚労省が公開している接種後の健康状況調査を見ると、発熱、頭痛、全身倦怠感などの副反応が多数報告されていますが、そのほか、ワクチン接種後に心臓障害を起こしたケースも多数報告されています。20代の若い世代も含まれています。

今のところ、ワクチンと心臓障害の因果関係は明確ではありません。しかし、ワクチンを接種して血圧が上がり、心臓の状態が不安定な時に、筋肉トレーニングなどの無酸素運動を行って心拍数や血圧がさらに上がることで、心臓や血管への負担が過度になり、心筋炎や心膜炎といった心臓障害を引き起こしている可能性があります。ワクチン接種後の1週間から10日間は、激しい運動を控えた方が良さそうです。

公費での接種対象者は満12歳以上となっています。子どもでも心筋炎の副反応の報告もあるので、できる対策は万全にした方が良さそうですね。

副反応で発熱や下痢、食べやすいものと水分補給

新型コロナのワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで、1回目よりも2回目の接種の方が強く副反応が出ることが分かっています。39度台の高熱が出る人もいます。

1回目の接種でいくらか免疫がつくことで、2回目の接種の方が免疫反応が起きやすくなり、発熱や倦怠感などの反応がより出やすくなるといいます。体温は「1度上がることで代謝が12~13%上がる」と言われており、発熱でエネルギー代謝が亢進している時は、より多くのエネルギーが必要です。

とはいえ、発熱時は食欲がないことが多いでしょう。また、副反応に「下痢」もあります。そんな時は食べられるもの、口当たりの良いもの(アイスクリームやヨーグルトなど)と水分を摂るようにしましょう。1回に口に出来る量は少なくても回数を増やし、できるだけ脂肪が少なく、糖質やタンパク質を含むものを摂りましょう。最近では、高タンパクのアイスクリームやヨーグルトも販売されているので、ワクチン接種の前に、解熱剤やスポーツドリンクと一緒に準備しておくといいですね。

ワクチンにより抗体ができるまで、2週間ほどかかります。2週間とは言わないまでも、接種後1週間程度は激しい運動、特に筋肉トレーニングを控えること、しっかりエネルギーや水分を摂ること、十分な休息をとることが大切です。睡眠時間をしっかり確保して、免疫力を上げていきましょう。

【管理栄養士・今井久美】