<イップスって何?(15)>

イップス研究所には、スポーツ以外で悩む人も相談にきます。連載序盤でも紹介しましたが、そば打ち職人や演奏家、美容整形の医師もきたそうです。そういう場合にも、無意識のメンタルトレーニングを行うのでしょうか。

河野昭典所長(60)は「そうです。さすがに手術やそば打ちの技術指導はできません。ただ、無意識のメンタルトレーニングを行うことで改善されます」と言います。同所長は野球経験者とあり、野球やソフトボール、テニス、卓球などは技術指導を行います。もちろん無意識のメンタルトレーニングを終えた後です。

心理テストも体験しました。120問の質問に答える方法で、これは河野所長の夫人で心理カウンセラーの祐美子氏が担当してくれました。「情緒安定性因子」「社会適応性因子」「活動性因子」「衝動性因子」「内省性因子」「主導性因子」といった項目から、傾向を導き出していきます。

気分の変化や劣等感、攻撃的か否か。思考が内向か外向か。河野所長は「イップスになる選手の傾向はありますが、これは一概に言えない部分もあります」と話していました。

今回は野球のイップスとして、技術指導も取材させてもらいました。グラブを持って外に出ました。【飯島智則】