<イップスって何?(24)>

前回に続き、日本イップス協会の講習会です。協会の認定トレーナーが集まり勉強をしています。

イップス研究所に届いた相談メールが紹介されました。大学のボート部に所属する選手からで「右肩が出しにくい」「背中も左側だけに負担がかかってしまう」「部内でも相談できる人がいない」といった内容でした。

イップスは野球やゴルフだけに限らず、さまざまな分野で起きます。同研究所には、そば打ち職人や美容外科の先生などが来たこともあります。河野昭典所長(60)は「詳細はご本人に聞かないと分かりませんが、このメールだけでどう感じるか。意見を出し合ってください」と促しました。

トレーナー陣から次々に意見が出ました。「相談できる人がいないという点が気になります。部内で何かあったのか。人間関係なのか。そのへんを聞き取りたい」「なぜ右肩に症状が出たのか。右の動きを自分で意識したのか、誰かに指摘されたのか。修正のために何かトレーニングをしたのではないか。それがうまくいかなかったのではないか。その原因を理解したい」「真っすぐ引かなければ、左右均等でなければ…という意識が強いのでは。野球でも『肘を上げなければいけない』という思いがイップスにつながる」。

河野所長はトレーナー陣に継続して検討するよう指示をしました。【飯島智則】