<イップスって何?(28)>
イップスを未然に防ぐためには、指導の現場から声を聞く必要があります。そう思って最初に会ったのは、寺澤恒氏(51)でした。
彼は教員で、かつては野球部の監督も務めていました。現在は部活動の指導から離れ「ベースボール・コーチングアカデミー」というグループで校長を務めています。
普段はフェイスブックなどSNSを使って指導方法の意見を交わし、時には講習会や会合を開いています。グループの紹介文はこう書かれています。
「ベースボール・コーチング・アカデミーは、海外で『マフィア』と呼ばれる日本の野球指導を見直そうということで始まったグループです。意見・情報交換、交流の場としてご利用ください。いっしょに日本の野球指導を高めていきましょう」
どんなグループなのでしょうか。寺澤氏は「全国には、旧来の野球指導に疑問を持っていたり、困っている指導者や親御さんがたくさんいると思います。困っていても点在しているから結束できない。じゃあグループを作って、練習方法や指導方法の情報交換をしようと。そういう目的です。現在2700人を超える会員がいますが、1万人を目標にしています」と説明します。
しかし「マフィア」という言葉が目を引きます。【飯島智則】