<イップスって何?(34)>

イップス研究所の河野昭典所長(60)が、日本ウェルネス高校ゴルフ部員に聞きました。「入れたら優勝という1・5メートルのパットをどんな気持ちで打つか」。答えはさまざまです。

「入れよう」「絶対に入れてやる」「外してもいいや」「いいストロークができればいい」「何も考えずに」「思い通りに打てればいい」「練習をたくさんしてきたから自信を持って」「入れなきゃいけない」「不安に思う」

河野所長 緊張は悪くない。不安も人間なら当たり前。大切なのはイメージを切り替えることです。

イメージの切り替えを説明するため、続けて質問をしました。

河野所長 野球で最終回の2死満塁。優勝のかかる打席で、活躍できる可能性が高い選手はどちらでしょうか? 

①「絶対に打ってヒーローになってやる」

②「やべえ、緊張しておなかが痛くなってきた。トイレに行きたい。でも、代打を出してくれそうもない。仕方ない。高めの球を左翼方向に打てればいいや」

ほとんどの部員が②に手を挙げました。

河野所長 ①は強気なようですが、打席での具体的な行動に結び付かない。②は弱気なようで具体的な行動をイメージしている。これで体の動きは大きく変わります。イメージした通りに動くものです。

イップス先生の講義が続きます。【飯島智則】