<イップスって何?(35)>
日本ウェルネス高校ゴルフ部で、イップス研究所の河野昭典所長(60)の指導が続きます。イメージ通りに体が動くという話です。
「例えば『○○さんのような人にはなりたくない』と思っている。意識では『なりたくない』と思っても、頭の中にイメージするのは○○さんですよね。イメージしているうちにだんだん似てきてしまう。だったら『△△さんのような人になりたい』と思った方がいい」
ゴルフの話に戻ります。
「パターで『入らなかったらどうしよう?』と不安が出てくる。体が震えるかもしれない。それは当然です。大切なのはイメージ…絵を描き換えてあげることです。自分はどうしたいのか? ショートしたくないパットなら、強めに打つ姿をイメージした方がいい」
部員たちに椅子に深く座り、両足をしっかり床につけるように指示が出た。
「目をつぶって、両足を床にしっかりつけてください。すると、足を上げようとしても、もう上がりません。上げようとすればするほど、足は上がりません」 上がらなかった人を問うと半数以上が手を挙げた。
「私に『上げようとするほど上がりません』と言われたことをイメージして、その通りになってしまう。催眠術でも何でもなく『言葉の暗示』です。軽く上がるイメージに切り替えれば、ちゃんと上がります」
講演後には部員から質問を募った。【飯島智則】