日本人に不足しがちな栄養素「ミネラル」と「食物繊維」は一般の方よりも、アスリートはもっと必要になります。パフォーマンス向上、コンディショニング調整のためにレーズンを、いつも携帯して補給しましょう。

レーズンの主な栄養素とその効果をお伝えします。

ポイント1:ブドウ糖
 →すぐにエネルギーが欲しい時のクイックエネルギーチャージ→速攻性のある糖質

すぐにエネルギー補給をしたいときに有効です。レーズンの約8割を占める糖質には、脳や筋肉のエネルギー源となるブドウ糖や果糖(単糖類)が豊富に含まれています。米、パン、麺類などのでんぷん(多糖類)は、私たちが食べる際に唾液に含まれるアミラーゼなどの消化酵素によって、単糖類に分解されていきますが、始めから単糖類として吸収されやすい状態のものであれば、体内に取り込まれやすく、エネルギーとして利用されやすいのです。

ポイント2:食物繊維
 →腸の調子を整え、スタミナ持続

スタミナ維持とコンディション調整に関わっています。便秘解消や整腸作用に役立つことで知られている食物繊維は、コレステロールなどの余分な脂質を排出することも分かっています。

「ポイント1」で伝えたように、素早いエネルギー補給にはブドウ糖摂取が有効ですが、持久系競技や長時間の練習、試合時間の長い競技などは長時間にわたってエネルギー供給が必要となります。そこで糖質と一緒に食物繊維を摂取すると、血糖値の急激な上昇を防ぐとともに、糖質が徐々に吸収され、長時間、持続的にエネルギーが供給されるようになります。つまり、レース後半までのスタミナ維持に、大いに役立ちます。

ポイント3:鉄

スタミナ維持と疲労回復に関わっています。鉄がなぜ必要かというと、全身に酸素を運び、二酸化炭素を排出する役割を持つ赤血球の中の「ヘモグロビンの材料」になるからです。つまり、ヘモグロビンが少ないと、全身に酸素が行きわたらなくなり、体内が酸欠状態になります。

アスリートは、運動するにあたってたくさんの酸素を取り込み、全身に運ばねばなりません。疲れやすい、練習についていけない、記録が伸びないなどの症状が気になる場合は、貧血を疑い、鉄の摂取量はもちろん、エネルギー量、タンパク質量が十分に足りているかを確認しましょう。また鉄は、汗と一緒に排出されてしまいますので、より多くの補給が必要です。女性だけではなく、成長期の男性、健康増進のためにスポーツを始めた中高年の方にも、鉄分摂取の確認をおすすめします。

ポイント4:カリウム
 →筋肉けいれんや足のつり、精神不安定を防ぐ

パフォーマンスアップに関わります。カリウムは、ナトリウムと連動し、血圧や細胞の浸透圧を調整しています。不足すると水分調整がうまくいかなくなり、筋肉の動きが悪くなってパフォーマンスに大きく影響します。汗とともに体外へ出てしまうので、アスリートは一般の方よりも多く必要としています。過剰に摂取しても排出されますので、腎臓機能に問題がある場合を除いて、意識して摂るようにしましょう。

ポイント5:ポリフェノール
 →美容と老化防止

疲労回復や心身のストレス解消に役立ちます。アスリートは多くの酸素を必要とするのと同時に多くの活性酸素を生み出すので、長時間の激しい運動を継続すると、人体内の細胞や組織が少しずつダメージを受けていく可能性があるといわれています。美容はもちろん、体内の老化や動脈硬化の予防のためにも有効なポリフェノールを手軽に摂取できます。

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