運動する高校生には1食でご飯を300~350g(約米1合分)を食べて欲しいものですが、ご飯にはどんな栄養素が入っていると思いますか?
先日講師を務めた高校生の陸上強化練習でのセミナーで選手たちに聞いてみました。すると「炭水化物」「糖質」…そんな声が聞こえてきました。
他に、何か入っている?
と言うと、キョトンとした目をして考えています。
米1合と卵1個では「タンパク質」の量はどちらが多いと思いますか?
そう質問すると、もっと??? な表情になりました。
タンパク質など他の栄養素も
日本食品標準成分表によると、米1合にはタンパク質が約8g含まれています。実は卵1個(50g、6.2g)や牛乳200ml(6.8g)に含まれているタンパク質量よりも多いのです。もちろん、質や消化、吸収などを考慮する必要はありますが。
セミナーに参加していた高校生は「ご飯は炭水化物や糖質の塊」のようなイメージがあったようで、米1合の方がタンパク質含有量が多いことに大変驚いている様子でした。
ご飯は、炭水化物だけを食べているわけではありません。言うまでもありませんが、まず、半分以上は水分。そして炭水化物が37.1%、タンパク質が2.5%。このように、食品や食材には、いろいろな栄養素が入っています。それらを組み合わせて食べることで、私たちは、自分のからだが必要としている栄養素を取り入れているのです。
ご飯のタンパク質は、リジンという必須アミノ酸がとても少ないため、リジンを多く含む物を一緒に食べると、タンパク質の質が良くなります。リジンの含有量が多い代表的な食べ物は大豆。ご飯と一緒に、大豆や納豆・豆腐などの大豆製品を食べることで、不足分を補うことが出来るのです。まるで、苦手なプレーをチームメイトがフォローしてくれるかのように、食べ物も組み合わせでフォローしあっているのです。
災害用保存食を使った料理
さて先日、私が住んでいる静岡県藤枝市では「スポーツ&健康フェスタ」が開催されました。私も静岡県栄養士会として参加。病院や福祉施設など様々な分野で活躍している管理栄養士さんたちと、災害用保存食を使った炊き込みご飯の試食や、子どもたちに野菜クイズをだしながら楽しい時間を過ごしました。
今回紹介する「災害用保存食を使った炊き込みご飯」は、缶詰や瓶詰を使い、非常時にも作りやすい炊き込みご飯です。もちろん、非常時でなくても、時間がないときでも使えます。
とっても簡単なので、冬休みのお昼ご飯として作ってみてはいかがでしょうか。選手にもトライして欲しいと思います。自分で作ることで、「ご飯」への意識、見方が変わるかもしれません。