今週末の12日、全日本U-15女子サッカー選手権大会が開幕。私が関わっている藤枝順心サッカークラブジュニアユースが、東海地区第4代表として出場します。

3年前のこの時期に行ったチームの栄養講座に、一番後ろに座って参加していた小学6年生、あの小さかった選手たちが中学3年生になり、心も体も大きく成長して、全国大会への切符を手に入れました。全国でも力を出し切れるよう、選手たちを信じてサポートしていきたいと思います。

中学は身長が伸びるラストチャンス

今回は、中学生女子の栄養指導についてお話していきましょう。

一般的に女子の場合、中学入学の頃が、身長が伸びるラストチャンスです。少しでも大きくなりたい選手には、「身長が伸びるのはあと少しだけだよ!」と言いながら、食べることについて考え、意識できるようになることの大切さを伝えていきます。

食べ方や食べる量は、大きな個人差があります。「自分が食べる量や食べるタイミングを、自分で考えて見つけていく」。これがとても重要です。

指導者や保護者に言われて摂るのではなく、自分がどのように栄養補給をしたらコンディションが良いのか、どのくらいの量を食べても大丈夫かなどを意識しながら過ごしていくことで、それが見つかっていきます。また、この時期は「食べられないから」とセーブするよりは、「食べられるように慣らしていく」ことの方が大切です。

試合当日も自分に合った栄養補給量を

試合当日は、その日のタイムスケジュールを確認し、あらかじめ「どのタイミングで」「何を」「どれくらい」食べたらよいかを書き出すように指示します。試合後、実際に食べたものも書き加えるなどのワークをやりながら、選手1人1人、自分に合った栄養補給量を考えていきます。自分の食事や補食について考えられるようになった選手は、しっかりとエネルギー補給することができ、大会でも最後まで力を出し切れているはずです。

中学3年間で15センチ以上、身長が伸びた選手もいます。体も心も大きく成長する選手たちをサポートして感じたことは、サッカー以外のこともコツコツとやっている選手はプレーにも反映され、結果が出ているということです。

コンディション調整難しい、学校行事の多い2学期

ただ中学生の2学期は学校行事が多く、忙しいため、毎週末に行われる大きな大会のためのコンディション調整が難しく感じました。レギュラー選手の1人は、東海大会の2回戦と準決勝の間の週に修学旅行がありました。定期テストがあった選手も何人もいました。大会や試験の日程は何カ月も前から分かっているため、「計画的に学習して、大会前に睡眠不足にならないように」と繰り返し伝えてきましたが、やはり、そこは中学生。大会前の睡眠時間が5~6時間となった選手もいました。

学校生活とクラブチームの両立は大変かもしれません。しかし、高校でも競技を続けるなら、夏休みで引退することのないクラブチームは大切な環境です。そんな貴重な時間を有意義に過ごせるよう、寒い時期のコンディション調整にも気を配っていきたいと思います。

今回は、寒い冬の朝食におすすめの温かいみそ汁、その名も「寒い朝にぴったり!サケと野菜のみそ汁」を紹介します。野菜だけでなく塩サケを加え、1品でも栄養たっぷりな「おかずみそ汁」です。

だしやみその量を2割ほど減らし、大さじ2杯ほどの牛乳や豆乳を加えると、味もまろやかになります。カルシウムや鉄などの栄養価も上がりますし、保護者にとっては減塩効果で生活習慣病予防にもなります。ぜひ、試してみてください。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵