私の自宅から歩いて数分のところに、蓮華寺池公園という藤枝市自慢の公園があります。今、市の花である藤の花の最盛期で、ツツジやシャクナゲも花を咲かせ、とてもきれいです。藤枝市の隣には、トーマスのSLで有名な大井川鉄道の島田市があります。
何で食べるのか、高校3年生と考えた
昨日、その島田市で食育の授業を担当してきました。対象は高校3年生。とても仲のよい元気な生徒さんたちとともに「食べること」について考えました。
「何で食べるのか?」
生徒たちからは「おなかがすくから」「栄養をとるため」などの声が聞こえてきました。アスリートにとっても、同じですね。「おなかがすいたら動けなくなる」「体作りのために栄養をとらなければならない」。スポーツの現場でも、このような答えが多く返ってきます。
分かっていても食べる時間がない現状も
しかし、それを実行できているでしょうか。実際、分かっていても、学校の規則で補食を食べられなかったり、食べたい時間に食べることができなかったりするケースもあります。学校の状況やタイムスケジュールを見てみると、本当に食べる時間がない選手もいますし、今までは練習に通ってくる電車の中でおにぎりなどを食べていた選手から、「コロナ禍で食べるタイミングがなくなってしまった」という相談も受けました。
そういった状況下にある選手には、栄養士としてアドバイスに困ることもあります。学校やチームが補食に対する理解を深め、食べる時間がとれるようにタイムスケジュールを組んでほしいというのが本音ですが、そうもいかないので、常に選手や保護者と良い方法はないかと考えています。いつも完全解決とはいかない、とても難しい課題です。
食で地域を応援、地元野菜のご当地メニュー
栄養面や体作りの目的以外にも、食べることには「楽しくなる」「コミュニケーションが良くなる」「伝統食や食文化を継承する」といったメリットもあり、地域を応援するレシピなども次々と生まれています。
島田市には「島田汁」があります。以前紹介をした藤枝の「染飯」は、古くから伝わる伝統食ですが、島田汁は近年、地域の農産物を知ってもらうために誕生した料理です。まだ認知度はそれほどではなく、昨日の講座に参加した高校生の中で知っていたのは数名でしたが、地域を挙げてPRに努めているようです。
「島田汁」であるための3つのルール
島田市のホームページによると、島田汁のルールは次の3つです。
(1)5品以上10品以下の食材を入れる
(2)島田市産の野菜を1品以上使う
(3)仕上げに煎茶をまぶす
このルールにのっとって、今回は「カルシウムたっぷりの具だくさん島田汁」を作ってみました。仕事帰りに、静岡県内最大級のマルシェ「KADODE OOIGAWA」に立ち寄り、島田市産の野菜やみそを購入。厚揚げ、小松菜、チンゲン菜などを使用して、カルシウムや鉄を補給できるものにしました。
豚肉、サツマイモ、ニンジン、大根、大根葉、タマネギ、生シイタケ、ネギ…。それに旬のおいしい新茶をまぶしてみると、香りも良く、味わいも深く、やさしい味に仕上がりました。
静岡県以外の方はなかなか島田市の野菜が手に入らないと思いますので、レシピにある野菜にこだわらず、旬の野菜をたくさん取り込んだご家庭の「島田汁」をぜひ作ってみてください。仕上げの煎茶がポイントです。