サッカーをやることができるのは、多くの人の支えがあってのことです。私がサポートする藤枝順心サッカークラブジュニアユースの中学生女子たちには、そんな感謝の思いを忘れないように、サッカー以外でも視野を広く持てるようにと様々な取り組みを行っています。
秋を見る、聞く、触る、嗅ぐ、食べる
ちょうど暑さが一段落したころ、藤枝総合運動公園の美化活動をしてきました。大きなビニール袋いっぱいに枯葉や雑草を集め、汚れているところを見つけてはきれいにしてきました。公園の掃除をしながら草木を見たり、虫の声を聴いたり、秋を感じてきました。
秋といえば、「食欲の秋」です。成長期のアスリートにとっては、おいしく食べられるものが多くあるので、わくわくしているようです。逆に体重制限をしている選手にとっては辛い季節ともいえますね。
増量が必要な選手の中には、暑い夏の間は食欲もわかず、増量に苦労した選手もいると思います。面談で、ある選手から「今年の夏は(体重が)落ちていないだけ良いと思っています。食欲の秋を待っていてください!」と言われました。確かに、その選手は暑い中での練習が続いても、今年は体重が減ることはありませんでした。そろそろ食欲が出てきた頃かな…と次回の面談を楽しみに、体重のグラフを眺めています。
柿で免疫力アップ、腸内環境整える
秋は、採れたてのおいしい野菜や果物がたくさん出まわります。中でも、秋を代表する果物「柿」を食べていますか? 柿は、「桃栗三年柿八年(※)」のことわざにも出てくるように、古くから日本人に親しまれてきた果物です。
柿は甘くておいしいのはもちろんですが、栄養成分も豊かです。免疫力アップや、コラーゲンの生成、風邪の予防などに効果があるビタミンCは、ミカンの2倍近く入っています。柿を1個食べれば、1日に必要なビタミンCをとることができます。
もう1つ多く含まれているのが食物繊維です。大腸のぜん動運動を促進させたり、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境の改善も期待できたりするので、便秘気味の選手にはおすすめです。また、甘味が強いことでも分かるように糖質も多いため、エネルギーをとりたい選手にはぴったりですね。練習後の補食やお弁当にぜひ、柿を加えてみてください。
今回は、秋の味覚がたっぷり詰まった「秋を感じる柿とサツマイモのサラダ」を紹介します。材料を約1.5センチ角に切って混ぜ合わせるものですが、時間と手間がかけられる時は、ベースのサラダに、チーズや卵、ハムなどをプラスしてたんぱく質とボリューム、味わいをアップするのがおすすめです。
学校と練習ばかりの生活になってしまうと、季節を味わうことが少なくなります。食事でも五感を通じて季節を感じつつ、それらを作ってくれた方々への感謝の気持ちも育んで欲しいものです。
※桃栗三年柿八年=芽が出てから実がなり食べられるまでに、桃と栗は三年、柿は八年かかる。何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要というたとえ