先日、静岡県の高校総体女子サッカー準決勝を観戦したときのことです。両チームに、私が所属する藤枝順心SCJYの卒団生がおり、先発メンバーの1/3ほどが、また両チームともキャプテンマークをつけていたのもうちの卒団生でした。

ハーフタイムに、卒団生のお父様に「あれから、また身長が伸びましたよ」と声をかけられました。女子選手でも、高校生になってから身長が伸び続ける選手もいるのです。選手も、保護者も努力を続けたのでしょう。スポーツ栄養士として中学生時代の3年間に関わり、その後もこのように保護者から声をかけていただけたことはとてもうれしいものでした。

暑熱順化ができていない時期

さて、全国高校総体(インターハイ)の各地予選が大詰めを迎えている頃ですね。暑さ対策、水分補給はうまくできていますか。特にこの時期は、まだ暑熱順化(暑さになれること)ができていないので、暑さ対策や水分補給対策が重要になります。

日本サッカー協会では、熱中症対策ガイドラインが改定されました。スポーツドリンクや経口補水液、アイススラリーなどについての記載も含まれています。

<参考>
熱中症対策ガイドライン(2024/5/21改正版)
https://www.jfa.jp/documents/pdf/other/heatstroke_guideline.pdf
熱中症対策ガイドライン改正概要(イラスト付きスライド)
https://www.jfa.jp/documents/pdf/other/heatstroke_guideline_amendment.pdf

昨今の夏の暑さは、スポーツをするには適さないほどの気温や湿度のこともあります。ガイドラインにあるようにWBGT計(暑さ指数計)も確認しながら、それに沿った準備、対策をする必要がありますね。

ただ、それ以上に大切なことは暑さに備える準備です。普段から1日3回の食事は、主食、主菜、副菜が揃うように心がけ、特に試合当日の朝はしっかりと食べるようにしましょう。食事からも水分や塩分を補給することができます。

また、試合前日に睡眠を十分とることも大切です。選手自身が自分の体調を整える努力をすることも忘れないで欲しいと思います。熱中症予防のためにも、まずは体調管理に努めましょう。

今回は、麹甘酒と塩だけで味付けをした「野菜たっぷりの麹甘酒スープ」を紹介します。

暑い中での練習や試合が続き、疲労がたまってくると、消化吸収機能も低下しがちです。発酵食品の麹甘酒とたっぷりの野菜の食物繊維で腸内環境を整えていきましょう。スープを活用すると、食事からも水分、ナトリウムなどのミネラル、ビタミン類などが補給でき、熱中症対策にもなります。

スープは前日に準備をしておいて、試合日の朝食にもいかがでしょうか。このスープのほかに冷奴、ヨーグルト、果物、ご飯とすれば、忙しい朝でも準備ができそうですよね。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵