センバツ高校野球。この原稿を書いている今日(3月21日)は、釜石(岩手)vs小豆島(香川)という21世紀枠同士の試合がありました。実はこの釜石は、私の母校でもあります。甲子園に2度目の出場にして初勝利! 実力が問われる次の試合で、どんな戦いをしてくれるのか楽しみです。
さて、その高校野球ですが、高校の部活から依頼されて、よく栄養セミナーを行うことが多いのが野球部です。
セミナー前に必ず、監督やコーチに選手の食べ方などの食事の傾向や栄養方針などを聞き、どんな話をしようか考えるのですが、そこでよく耳にするのが「どんぶり飯」。「身体を大きくするために、どんぶり飯を1日○杯食べる」という指導をされているところが多く、1日10杯というところもありました。
このコラムを読んでいる選手や指導者の中でも、実際に行っている人がいるかもしれませんね。
指導者にこの方針をとる理由を伺ったところ、共通していたのが「分かりやすい」から。また安価であり、誰もが取り組みやすいのが理由でした。
体脂肪でなく筋肉量で増量
どんぶり飯は「エネルギーもとれるし、身体を大きくするには最高」と考えている指導者もいましたが、筋肉で体を大きくするのと体脂肪で大きくするのでは、全く意味が違います。単純に食べて増える体脂肪と違って、筋肉を増やすにはそれなりのトレーニングと食事内容が必要になってきます。時間もかかります。
筋肉量を増やすことは簡単ではないので、まずは見た目を変えるために、どんぶり飯を食べさせる。実際は体脂肪量を増やして身体を大きくしたのに、パワーがついたと思ってしまっている指導者、そして選手が多いのです。
筋肉をつくる材料はタンパク質であることは、前回のコラム「なぜ食べるのか?」でも紹介しました。つまり「どんぶり飯=糖質」だけではなく、「肉、魚介類、卵、乳製品、豆製品=タンパク質」も重要となります。
筋肉をつくるタンパク質といえば肉→ステーキ…という構図が浮かんだ人もいると思いますが、今回紹介するのは、その牛肉のレシピ「牛ステーキ トマトソース&バルサミコソース」。2種類のソースがポイントです。
さらに、肉にはサラダというイメージがあるかと思いますが、このトマトソースはトマト、ニンニク、タマネギなど野菜をふんだんに使っているので、これだけでも野菜がとれます。
もう1種類はバルサミコソース。ちなみに「2種類のソースで2度おいしい」というアイデアは、寮の食事をしていたある選手のつぶやきから生まれました。身体に必要な栄養素をとりながら、やっぱりおいしく食べたいものです。