新体操や体操、バレエ、シンクロナイズドスイミングやダンス競技など、採点で順位が決まるスポーツの場合、余計な体脂肪があっては美しさを追求できません。
階級制で体重コントロールが必要な選手もいますが、これらのスポーツの中には極端な食事制限をしている選手もいて、疲労がとれないなどのコンディション不良だけでなく、貧血、生理がこないなどの症状に悩む選手もいます。ひどくなると、拒食、過食を繰り返す選手もいます。
しっかり身体をつくり、糖質ダウン
「体重を落とす=食べない」というのは、結論から言えばマイナスです。体重を効率よくコントロールするには、「落とすために食べない」という食事量だけではなく、運動量も一緒に考える必要があります。
体重は食事量と運動量、つまり、摂取エネルギーと消費エネルギーによって変動します。「摂取エネルギー=食事量、消費エネルギー=運動量」。そう言われると、なるほど! と思うものですが、体重コントロール最中の選手の場合、なぜか食事量ばかり意識してしまうのです。
また、「勝つ」ための生活が、いつの間にか体重コントロールが目的になり、「勝つための食事」ではなく「痩せる(太る)ための食事」になってしまうことも見受けられます。その結果、拒食や過食などの摂食障害になり、食べることが怖くなってしまい、競技をすること自体、難しくなることもあります。
体脂肪を落としたい、減量したい、ならば、食べましょう。ただし必要なものを! です。
まずは、スポーツに必要な、今ある筋肉や骨などの身体は強化し続けながら、逆に体脂肪はエネルギーに変えて消費させるようにします。身体をつくる「タンパク質」「ミネラル」や、コンディションに関与する「ビタミン」をしっかり取る反面、エネルギーとなる「糖質」を取りすぎないようにします。
間違った減量をする選手にありがちなのは、クッキー数枚を食事代わりにすること。量=エネルギー(カロリー)ではありません。砂糖や油で作られたクッキーは練習時のエネルギーにはなりますが、身体作りにはならず、体重を落とすために効果的でないことは分かるでしょう。
野菜サラダだけは逆効果
また、野菜サラダだけを食べる選手もいますが、これも身体は作られず、逆にスポーツをすることで筋破壊はどんどん進みます。これでは運動によってエネルギーを消費するどころか、疲労で身体が思うように動かないだけでなく、満腹感が得られないなどのストレスから突如、過食に走ってしまうことになりかねません。
今回紹介するのは「ラムの香草ソテー豆マリネ添え」。ラムは筋肉や骨などを作るタンパク質が豊富な食材です。体脂肪が気になる選手にはうれしいことに、カルニチンといって脂肪燃焼効果のある栄養素も含みます。体脂肪が気になる時の肉は、ラムがお薦めです。
さらに、植物タンパク質の豆からも、身体作りの栄養素を取りましょう。トマト、パプリカなどの抗酸化野菜とお酢によって、疲労をとりながら身体を修復できます。このマリネは作り置きもできますので、好きな野菜を瓶にいれて冷蔵庫で保存しておけば、手軽に1品プラスできます。