週に1度、管理栄養士や栄養士を目指す学生に、スポーツ栄養学や調理実習などの講義をしています。学生たちにはまず、食品についての細かな知識を学んで欲しいと工夫しています。

レバーと砂肝の根菜炒め
レバーと砂肝の根菜炒め

例えば、今回のレシピ「レバーと砂肝の根菜炒め」で使っているレバー。レバーといえば、鉄補給に最適な食材だと皆さんもよくご存じでしょう。

鉄の多い順に並べると「豚>鶏>牛」となり、豚は牛の3倍以上も含まれます。だからといって「貧血対策=豚レバー」が最適とはなりません。

血液を作るのに必要なタンパク質や葉酸、ビタミンB12…など、含まれる栄養素をピックアップしながら、本当に豚レバーが良いのかを見ていくと、食材1つで解決できるものではなく、吸収力を高めるためにプラスすべき栄養素、食品が何なのかが分かるようになるのです。

また、その食品がトマトだった場合、普通のトマトなのか、ミニトマトなのか、色は赤なのか、オレンジなのか…といったことを丁寧に学び、最終的に調理法なども考慮しながらレシピを完成させていきます。

さらにスポーツ栄養学の講義の時は、トップアスリートの食事例を話します。合宿などの遠征時には鶏レバーが重宝したこと、焼き肉店でレバーを食べるときの注文のコツといったような実際にあった話をすると、現場で指導するときに役立ち、人に寄り添った栄養指導につながるでしょう。

皆さんもそうだと思いますが、計算や知識だけでなく、環境などを理解した上で、実際にできることをアドバイスされた方が継続できると思います。

ちょうど今、学生たちの期末試験の採点中だったのでこんな話をしましたが、この学生の中から将来、皆さんをサポートする栄養士が現れるかもしれませんね。

管理栄養士・川端理香