鶏肉の消費量が増えているといいます。確かに、アスリートから送られてくる食事写真には頻繁に鶏肉が使われていますし、コンビニのサラダチキンは新しい味が定期的に出るなど、いまだ鶏肉の人気の高さが分かります。

私は栄養士を目指す学生に、食品学を講義しています。食品学では穀類、野菜類、果実類…のように食品を群ごとに学習していきます。例えば、肉類の場合は「年々消費量が増えている」といった時事的なことから始まり、肉それぞれの種類についての特徴を抑えます。

鶏肉の場合は、肉用と卵用、卵肉兼用種に大別されること、よく食べられているブロイラーは生後約2カ月で出荷されること、その鶏は高密度の環境で飼育されるために肉色は淡紅食なこと、加工用は産卵用鶏で産卵しなくなった肉が硬いもの…といったように学びを広げていきます。

鶏肉以外でも、なぜ肉は赤いのか、肉質の「キメ」はどの部位が細かいのか、霜降り肉の「さし」はどうやって作られるのか、それぞれの肉の脂が溶ける温度は何度か、それによってどんな調理法が良いのか…と続き、ハムやソーセージの作り方などまで学んでいきます。

この食品学は栄養学と並んで、身近で実践できるものも多いため、結構人気が高い授業です。スポーツ栄養学を学ぶ上で、時には「食品学」に触れたり、書籍を読んだりすると、さらに料理のアレンジがしやすくなると思います。

今回紹介するのは「サイコロ鶏むね肉のショウガ酢焼き」です。いまだ人気の衰えない鶏むね肉と野菜の炒め物を、ショウガと酢で味付けしています。頻繁に使う鶏肉のバリエーションも増やしていきましょう。

管理栄養士・川端理香