アスリートの食事は、「期」によって食べ方が大きく違うことはご存知だと思います。練習期はタンパク質を、試合期は糖質を多くとることが基本です。競技レベルが高くなると、練習期でも普段の練習と合宿(キャンプ)のように長期的にさらに多くのトレーニングを行うこともあります。

私が栄養サポートしているJリーグのチームは現在、沖縄でキャンプを行っています。私も現地に行き、選手たちが食べるものをチェックし、食事傾向や既往歴などからアドバイスを行ったり、講義をしたりしてきました。

寒暖差で自律神経が乱れることも

そこで重要視したのが、気温の変化です。都内ではコートが必要な気温だったのが、飛行機を下りると半そでで歩いている人がいるのです。そうかと思うと翌日は上着を数枚着ても寒いほど! と日によって寒暖差が激しく、「沖縄≠暖かい」というイメージが覆りました。

そうなると自律神経が乱れ、体調不良になったり、睡眠などにも影響がでたり、発汗量によって摂取する栄養素の違いも出てきます。実際にキャンプ中は、身体が慣れるまで結構な量のビタミンが流失するだろうと考えて、毎食必ず15種類以上の野菜や5種類以上の果物を用意して、ビュッフェ形式でとれるようにしました。

食事量が落ちても栄養素がとれるように

身体強化が目的のキャンプは2週間以上と滞在期間が長いため、食事に飽きも出てきます。毎食、多種多様のビュッフェで何が飽きるのか? と思う人もいるかもしれませんが、3食とも同じメンバーで同じ会場で食べるので、いくら内容を変えてもそのような声が聞こえてくるのです。

そういう時に活用するのが「デザート」です。長期的なキャンプなどでは高強度のトレーニングによって食事量が落ちることもあり、デザートで気分転換するとともに、上手に栄養素を摂取して欲しいと思っています。

今回紹介するのは「オートミールのアップルクランブル・カスタードクリーム添え」です。リンゴやオートミールからビタミンや食物繊維がとれ、はちみつやきな粉で糖質やタンパク質をプラス。手作りカスタードからもタンパク質や糖質でエネルギーは555kcalもとれます。

身体強化時などにおすすめのデザートです。ご家庭でもぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香