私が指導する中学生女子バレーボールのクラブチームは昨年2月から、オンラインによる栄養教育を始めました。それまで、栄養教育は合宿の機会を利用して行ってきましたが、新型コロナの流行により練習ができなくなったことからスタートし、練習を再開しても毎月1回、継続的に行っています。

「基本の食事」に始まり、「バレーボールのためのカラダ作り」「朝食について」「食事作りの実践」「水分補給」「疲労回復」…と競技をする上で必要なテーマを設定。先月は、特に女子が気にする「太る・やせる」について取り上げました。

ポイントは「除脂肪体重を増やす」

思春期の女子に対して、このテーマは扱いがかなり難しいものです。やせる必要のない子がやせることを過剰に意識することになりはしないかという懸念もあり、これまで扱いを控えてきました。しかし、中にはすでに身長の伸びが止まってきた選手もいるため、この時期に体脂肪が多くなりすぎないよう注意する必要もあるのです。

中心に据えたのは「除脂肪体重を増やす」ということ。脂肪ではなく、筋肉に目を向けるように話を進めました。これは、成長スパートが終わりかかっている選手が身長を最大限まで伸ばすためにも大切なことです。

ネット上の安易な情報にだまされるな

また、「簡単にやせる」といったインターネット上の安易な情報にだまされないよう注意喚起もしました。「短期間に数キロもやせた」という情報は、体の中の水分が減っただけの可能性が高く、健康に正しくやせるためには数カ月かかるといったことを説明するなど、思春期の女の子が一般的に関心を持つ話題にも触れました。

いまや、小学生ですらダイエットに関心がある時代です。中学生ともなれば、関心のある子は非常に多いため、正しくカラダへの理解を深めてもらう時間になって欲しいと思っています。

今回はエネルギー源の糖質と食物繊維が摂れる「サツマイモとリンゴの重ね煮」です。ラムレーズンを散らしていますが、干しブドウでも代用できます。

ちょっと甘い副菜としておかずにしても、お菓子に近い補食にしても、器を変えてデザート替わりにしても良いでしょう。甘い物が好きな女子が大好きな味。成長期のエネルギー補給にもぴったりです。

管理栄養士・月野和美砂