ジュニアアスリート向けのスポーツ栄養セミナーを行う際、私は必ず「牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品をとろう」とお話しします。10代は身長も伸びますが、骨も硬いオトナの骨へとどんどん成長します。カルシウムが豊富な牛乳や乳製品を学校給食に限らず、家庭でもとってほしいのですが、土日や長期休業中に摂らなくなることも多く、ここに「意識の差」が出てきてしまうのです。
コロナ禍の2020年春に「牛乳を毎日飲もう」という牛乳プラスワンプロジェクト(※)が話題になりました。コロナ禍は明けましたが、冬から春先は長期休業や気温が低いために牛乳の消費量が少なくなる時期です。
一方、乳牛は春先に出産時期を迎えるため乳量が増え、牛乳の生産量は増加します。量をコントロールできればいいのですが、生乳生産は乳牛の病気を防ぐため搾乳し続ける必要があり、短期的には簡単にコントロールできることではないのです。
10代でいかに骨密度のピークを上げておけるか
何年か前、山梨県内の中学校で食育講演をしたとき、こんなことを伝えました。
「10代が骨をつくる重要な時期で、20代までにいかに骨密度のピークを上げておけるかが、その後の人生を決めます。嫌いでも飲めば強い骨になるし、そうでないなら…。でも、選ぶのは君たち自身」と話したことがありました。
後日、その学校の栄養教諭から「牛乳が残らなくなりました」とうれしい報告があり、効果の大きさに驚いたことがあります。寒い冬の時期にもジュニアアスリートには、自分のカラダを作るためにカルシウムが多くとれる牛乳を飲んでもらいたいと思います。
今回は、ブロッコリーの茎(くき)の部分を使ったスープ、「ブロッコリーの茎ポタージュ」を紹介します。
ブロッコリーは11月から3月が旬ですが、茎の部分を捨てていた人はいませんか。茎には、花蕾(からい)と同じようにビタミンCやβカロテンが多く、さらに食物繊維も含まれているので、使わない手はありません。
茎の部分を長めにゆでて食べるのも良いですが、ミキサーにかけて牛乳と一緒に食物繊維たっぷりのポタージュにしてみるのはどうでしょうか。ゆでた茎の部分を小分けにして冷凍しておくとポタージュもすぐに作れますし、花蕾も入れれば、グリーンの色が強くなります。何よりも、食物の廃棄部分を最小限にできるのが良いですね。
牛乳は冷たいまま飲むだけではなく、普段の料理の中にも取り入れると活用が広がります。生乳の廃棄の抑制と、私たち人間の骨づくりが自然な形で連動すればいいなと思います。
※参考
日本の牛乳を救う「プラスワンプロジェクト」緊急スタート!
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/gyunyu/lin/plusone_project.html
「牛乳でスマイルプロジェクト」
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/gyunyu/lin/gyunyu_smile.html