昨日、8月11日は「山の日」でした。どこへ行っても猛暑なので山へ出かける、あるいは合宿で少し涼しいところへ出かけていくこともあるでしょうか。
私の合宿所がある山梨県は、県の約80%を森林が占めています。北杜市は八ヶ岳連峰や南アルプスを間近に見られる長野県との県境です。
合宿所の標高は1000m。この時期、周辺は1年で最も人や車の多い時期になります。日中、甲府や勝沼が40℃近くになれば、ここも33~34℃まで上がりますが、それでも夜になると20℃くらいまで涼しくなるので、多くの人が涼を求め訪れます。
私の指導するクラブはこの合宿所で定期的に合宿を行っています。ここで、食を通した様々な体験をしてもらいます。
配膳や洗浄後の食器の片付けは、数人ずつ順番に行います。ごはん茶碗や汁椀の位置や箸の向きなど、日頃意識していなかった配膳にも目を向けられる機会です。
食事係は「いただきます」をする前に、全員の前に立ってその日の献立を「主食はごはん、主菜は○○、副菜は…」と伝えます。人前に立って話す機会にもなりますし、聞いている方は目の前の料理や食材を理解します。
ジュニアアスリートにとって、食事は栄養補給だけでなく食事そのものへの興味を持たせ、食材の旬や特徴や味などの知識を増やす教材です。ここでも栄養だけでなく、食材のことも知ってもらうよう努めています。
最初は好き嫌いが激しかった子どもも、何度か合宿を重ねることで食べられるものが増えてきました。家庭を離れ、いつもと違う場所で、違う人たちと、いつもとちょっと違う料理を食べることで食の幅が広がっています。
「ジュニアアスリートは、まず食事から栄養をとるようにする」と言われるのは、それだけ食事がもつ役割が栄養面以外にもあるからです。この年代で取り組むべき食の発達課題があります。保護者にも子どもたちにも、そのことを理解していただきたいと思います。
今回は「ズッキーニの肉巻き」を紹介します。ここの合宿でも全員完食したメニューです。
ズッキーニは、見た目はキュウリのようですが、カボチャの仲間です。黄色いものもあり、丸い形のものもあります。
カリウム、βカロテン、葉酸が多く、また鉄分や亜鉛も含まれますので成長期のジュニアには積極的にチャレンジしてほしい食材です。
油となじみやすく、炒めるだけでもおいしくいただけます。今回は電子レンジで火を通したものに肉を巻き、少量の油で焼きました。くせのない野菜なので初めてでも食べられるのではないでしょうか。
この夏、子どもたちはどんな食材を食べられるようになるでしょうか。合宿だけでなく、家族旅行で訪れた場所でも初めて食べる食材や料理を楽しんでくださいね。