連日、溶けるような暑さが続いている南国・鹿児島から暑中お見舞い申し上げます。

先日の土用の丑の日に、ウナギを食べたという方も多いかと思います。流通している国産ウナギの40%は鹿児島県産ということで、私も県内産のおいしいウナギを山椒たっぷりでいただきました。今回はまだまだ続く暑さを元気に乗り切るコツをお伝えします。

突然ですが皆さん、「薬味」はお好きですか? ウナギに添えられる山椒も薬味の一種です。代表的なところだと刻みネギやおろしショウガ、暑い季節にはミョウガや大葉、ワサビもさっぱりとして美味しいですね。薬味には料理のおいしさを引き立たせるだけでなく、様々な効能があります。

「薬味」という言葉は医学用語にルーツを持ち、漢方薬として用いられているものも多くあります。代表的なものを紹介しましょう。

ネギ

肉や魚の臭みを和らげる作用があるほか、殺菌作用や身体を温める作用があり風邪を引いた時にも効果的です。刻みネギは冷凍保存が可能です。濡れたまま刻むとベチャっとしてしまうため、よく水気を切ってから刻んで冷凍すると使いやすいですよ。

おろし大根

焼き魚や和食に添えられるおろし大根にはビタミンCと消化酵素(ジアスターゼ)が豊富に含まれています。大根に含まれるジアスターゼはでんぷんの消化を助ける作用があり、胃腸が弱りがちな時には積極的に摂りたい食材です。ビタミンCも消化酵素も時間とともに減少してしまうため、おろしたてを食べるのが一番です。

ワサビ・大葉

刺身や生魚の丼に添えられることの多いワサビや大葉はともに殺菌・防腐効果を持つ薬味です。刺身の下に敷いたり、添えられたりしているのは傷みやすい生魚を新鮮に保つ効果もあるのですね。

ショウガ

消化吸収を促進するとともに、血行を促進して身体を温める効果があります。生のショウガは胃腸への刺激が強いため、大量に摂取することは避けましょう。ショウガ焼きや煮物の臭み消しとして加熱して使うのがおすすめです。紅ショウガで酸味と彩りを添えるのもよいですね。

薬も飲みすぎれば毒となるように、体に良い影響をもたらす薬味も、摂りすぎは体への負担となります。何事もほどほどがいちばん。薬味のちょい足しで夏を元気に乗り切りましょう!

今回紹介する「絶品甘辛タレのスタミナ豚丼」は疲労回復に効果のある豚肉を薬味の一種であるニンニクで炒めて甘辛いタレをかけた、食欲をそそる一品です。甘辛タレは冷蔵庫で1週間程度保存が可能です。豚肉はもちろん、鶏肉やウナギ、炒め野菜にもよく合いますよ。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子