年末年始は出かけたり、ごちそうを食べたりする機会も多いですね。練習やトレーニングも休みという人も多く、油断すると「太ってしまった」「筋肉が落ちてしまった」ということになりかねません。年末年始を楽しみつつも、コンディションを落とさないための食事のコツを紹介します。

「ハレ」と「ケ」の概念

日本には昔から「ハレ」と「ケ」という概念があります。「晴れ着」「晴れ姿」というように「ハレ」は特別な非日常のことで、食事もごちそうを食べます。それに対して「ケ」は日常を指します。

かねて日本人は年中行事やお祭りなどの「ハレ」を楽しみに、普段はつつましやかに暮らしていましたが、今では華やかな物やおいしい物が日常にあふれ、毎日がハレの状態になりつつあります。

年末年始の注意ポイント

非日常の生活が続く年末年始は、いつも通りのコンディションを保つために気を付けたいことが2点あります。

(1)欠食しない

食べ過ぎたからといって次の食事を抜くのはNGです。年末年始は夜更かし等で睡眠リズムが崩れがちですが、できる限り普段と同じ時間に食事を摂ることで生活リズムが崩れにくくなります。食べ過ぎてしまった次の食事は消化のよいものを選んであげるといいですね。ちなみに「七草がゆ」の風習は、正月のハレの食事による胃腸の負担をケアする意味合いもありますよ。

(2)小鉢を摂る

クリスマスのチキンやケーキ、お正月のおせち、お餅、すき焼きなどハレの食事は炭水化物、脂質、タンパク質が多くなりがちです。どれもアスリートにとって大切な栄養素ですが、これらの栄養素を体で利用するためには「ビタミン・ミネラル」が不可欠です。小鉢などの副菜にはビタミン・ミネラルを豊富に含むものが多いため、メインディッシュだけでなく欠かさず摂るようにしましょう。

今回のレシピは「カボチャとニンジンのクリームチーズあえ」です。カボチャもニンジンもβカロテンをたくさん含む「緑黄色野菜」ですよ。色鮮やかで見た目も華やかなので、ハレの日の小鉢やメインの添え物にぜひお使い下さい。「ハレ」と「ケ」の考え方で上手にバランスを取って、年末年始を楽しく過ごしましょう!

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子