厚生労働省は生活習慣病予防を目的として、野菜の摂取目標量を「1日350g」としています。これは大人も子どもも同じ量です。
紫外線を浴びる機会が多く、運動による栄養素の消費量も多いアスリートは、理想を言えばこれ以上摂って欲しいところですが、実際は苦戦している方が多い印象です。今回は野菜の中でもスポットが当たりづらい「淡色野菜」について話していきます。
色の濃い緑黄色野菜
「野菜」と言われて皆さんがまず思い浮かべるのは、色鮮やかな緑黄色野菜ではないでしょうか?
緑黄色野菜とは、原則として「可食部100g当たりβカロテン含有量が600μg(マイクログラム)以上のもの」を言います。
※トマト、ピーマンなど一部の野菜については「βカロテン含有量が600μg未満であるが摂取量及び頻度等を勘案の上、栄養指導上緑黄色野菜とする」とされている。(日本食品標準成分表より)
緑黄色野菜は色の濃いものが多く、それが見分けるひとつのポイントですが、意外なところでは水菜など色の薄い野菜もβカロテンを多く含んでおり、緑黄色野菜に分類されています。
淡色野菜は栄養素が少ないのか
一方で緑黄色野菜の定義を満たさないその他の野菜を「淡色野菜」と言います。では、淡色野菜には栄養素が少ないのでしょうか?
よく家庭で食べられている淡色野菜としては
タマネギ、大根、ショウガ、枝豆、カブ、ズッキーニ、ナス、白菜、モヤシ、レタス、カリフラワー、キュウリ、レンコン、タケノコ、ゴボウ、セロリ、キャベツ
などがあります。淡色野菜はβカロテンの含有量は多くないのですが、食物繊維、ビタミンC、カリウムなどを豊富に含みます。また、色も味も主張の強い緑黄色野菜に対し、あっさりとして食べやすいものが多く、調理法や味付けによって様々な食べ方ができます。
野菜を多く摂るなら「加熱」
「野菜料理といえば?」とセミナーなどで聞くと、「サラダ」という回答がだいたい最初に出ます。もちろん大正解なのですが、サラダで生の野菜を350g摂るのはとても大変です。それなら加熱してみましょう。特に葉物野菜は加熱するとカサが減り、柔らかくなって食べやすくなります。お浸しや煮物、スープなどにして上手に野菜を摂りましょう。
今回紹介するレシピは「照り焼きレンコンバーグ」です。根菜類は加熱してもカサが変わらず、歯ごたえもあるため、なかなか量を食べるのが大変ですが、このレシピのように主菜としてタンパク源と組み合わせると、食べやすいですよ。「野菜=副菜」ではなく、肉や魚がメインの主菜に混ぜたり、一緒に調理したりすると摂りやすくなります。
余った肉ダネは餃子やピーマンの肉詰めなどに使ってもおいしく食べられます。