8~9月は台風シーズンでもあります。接近が予想される状況になると、食品をはじめ色々な商品を買い置きしておくなど、備蓄を意識する人も多いでしょう。
最近は台風だけでなく、記録的大雨による災害も全国各地で頻発するほか、地震の発生頻度が高いのも心配です。気象庁によると、2022年の1年間で最大震度4以上を観測した地震は51回もあり、いつどこで災害が起きてもおかしくない状況だと言えます。
フェーズに応じた栄養・食生活支援活動
日本栄養士会は、災害発生に備えて、日本栄養士会、都道府県栄養士会、日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)が連携して速やかに栄養・食生活支援活動を行うための共通ツール、「災害時の栄養・食生活支援ガイド」を作成しています。以下の図は、その中で示されている「フェーズに応じた栄養・食生活支援活動」についてです。
ここからもわかるように、フェーズ0~1(72時間以内)はエネルギーや水分確保が課題となりますが、4日から1~2週間のフェーズ2以上、長期となるとタンパク質やビタミン、ミネラルなどの各種栄養素不足に対応していくことが必要です。
どのような食品をどのくらい用意したらいいか
また、どのような食品をどのくらい揃えておけばいいのかは、農林水産省が公表している「災害時に備えた食品ストックガイド」を参考にすると良いでしょう。備蓄に適した食品の選び方、ローリングストック法等による日頃の活用方法、災害時に役立つ簡単レシピなどの実践的な内容を取りまとめられていて、栄養素ごとにおすすめの食品が紹介されています。
夏場はドリンクも、ローリングストックを活用
これに加えて、夏場は熱中症対策も重要です。水やスポーツドリンク、経口補水液もストックしておくとよいでしょう。アスリートの場合、筋肉量の維持やコンディショニングの面では、フェーズ0や1の時でも、炭水化物や水分だけでなく、タンパク質やビタミン・ミネラルなど各種栄養素も摂取できるように準備しておくことをお勧めします。
特に単身の選手には「ローリングストック」をするよう伝えています。ローリングストックとは、レトルト食品や缶詰など比較的賞味期限が長く、タンパク質や各種栄養素の摂取が可能な食品を多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから使い、消費した分を買い足す方法です。日頃、レトルト食品や缶詰などは調理の手間を減らせるものですが、災害時には温めなくても食べられる非常食として役立ちます。
「もしも」の時にも栄養を摂取できるように、普段から災害への対策を心がけましょう。
今回紹介するレシピは「オクラと納豆のかき揚げ」です。今が旬のオクラと栄養価の高い納豆のネバトロ食感が癖になります。
食物繊維やエネルギーもとれるので、子どものおやつとしてもおすすめです。お好みでキムチを入れればピリ辛でちょっと大人好みの味わいにもなり、食欲アップにもつながります。
<関連コラム>