「ゼリー飲料は1日何本まで飲んでいいんですか?」と聞かれることがあります。その答えは「そのゼリー飲料の成分による」です。

「食品」として上限は定められていないが…

基本的に、エネルギーゼリーなどに代表されるゼリー飲料は「医薬品」ではなく「食品」です。なので、1日に何本までという上限は決められていません。

例えば、試合の日の補食にエネルギーゼリーを摂っているという選手は多いですよね。私自身も運動前の糖質補給として手軽なエネルギーゼリーを勧めています

そうすると、まれに「補食は全てエネルギーゼリーで摂る」という選手も出てきます。そのような選手は、①朝家を出るとき、②試合前、③試合後、④帰宅後というように、1日に4本ものエネルギーゼリーを摂るということになります。

私たちが健康的な生活を送る上で、「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)という栄養の基準が設けられています。その中でいくつかの栄養素については「耐容上限量」といって、1日に摂取する量の上限が決められているものがあります。耐容上限量が決まっているのは以下のビタミンやミネラルです。

個別の上限値についてはここでは示しませんが、1日だけ上限を超えたからといって、すぐに病気になってしまうというわけではありません。あくまでも「習慣的に」耐容上限量を超えた食生活を続けると、過剰摂取による健康障害のリスクが高まるという考え方です。

補食はおにぎりなども組み合わせて

冒頭でお話ししたゼリー飲料は、目的とする栄養素を多く含んでいて手軽にとれることがメリットです。ただし、1日に複数本飲むことで、栄養素によってはこの耐容上限量を超えてしまうものもあります。実際の上限量(数値)を覚えるのは難しいことですが、数値を知らなくても、上限のある栄養素を知っておくことで過剰摂取のリスクを遠ざけることができます。

毎日の補食としてゼリー飲料を使いたい場合には、栄養成分を確認し、過剰摂取のリスクがあるものが入っているか確認しましょう。入っている場合には、日常的に複数本飲むことは避けたほうが賢明です(試合等、特別な時期だけなら複数本飲んでも影響は少ないと考えています)。

日々の生活の中では、ゼリー飲料だけではなく、おにぎりやバナナなどの食品を組み合わせて補食を計画、準備しましょう。

今回はごはんがすすむ「ワカメと干しエビのふりかけ」を紹介します。スーパーのふりかけコーナーには多くの種類が売られていますが、簡単にミネラルたっぷりのふりかけが作れます。このレシピで使った材料は塩蔵ワカメ、干しエビ、炒りゴマ、コショウ、ゴマ油です。

塩蔵ワカメは、カットワカメに比べて肉厚なので、しっかりと歯ごたえのある食感になります。混ぜご飯にしたり、おにぎりにしたり、食パンにのせてチーズトーストにしてもおいしくいただけます。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ