<ラグビー流 Education(6)>
ラグビー元日本代表の今泉清氏(52)は、ジュニア世代に「夢を発信しよう」と提言。大人が本人の意思や夢を引き出し、導くことを願っています。
口に出すことで夢が近づく
今泉氏はジュニア世代に夢を抱き、その夢を「口に出してみよう」と話す。
今泉 まずは自分がどうなりたいかを決める。そのためには何をすればいいか考える。さらに、それを周囲に伝えること。例えば(元大リーガー)イチローさんは小学生の時に「一流の野球選手になる」と決意し、それを知ったお父さんが連日バッティングセンターに連れて行ったと聞きます。自分の夢を知ってもらえれば、手伝いたい、支えたいという人が出てきます。
「夢の発信」が協力者を得るための第1歩。
今泉 発信しなかったら誰にも伝わらない。中には「そんなこと、できるはずがないよ」と一蹴されるのを恐れ、夢を自分の中に閉じこめる子もいる。でも、挑戦もしないで終わってしまっては…。もちろん、1人で挑戦してもいいけど、周囲を巻き込んで、みんなで夢を実現していく方がもっといいですよね。
ラグビーをはじめとするチームスポーツや、組織に通じるものがある。
今泉 「三人寄れば文殊の知恵」。少なくとも2人以上と自分の夢をシェアしてもらいたいです。
一方で「夢の発信」を受け取る側は?
今泉 「できるはずがない」と頭ごなしに否定しないでください。教育する意味の英語「Educate」は、ラテン語の「(能力を)引き出す」が語源だそうです。
◆今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)生まれ、大分市出身。6歳でラグビーを始め、大分舞鶴高から早大に進み、主にFBとしてプレースキックなどで大学選手権2回優勝、87年度日本選手権優勝に貢献。ニュージーランド留学後、サントリー入り。95年W杯日本代表、キャップ8。01年に引退した後は早大などの指導、日刊スポーツなどでの評論・解説、講演など幅広く活躍。
(2019年11月10日、ニッカンスポーツ・コム掲載)