昨秋全道大会で初優勝し明治神宮大会4強の白樺学園が12日、同校で今年最初の全体練習を行った。 昨年12月20日から約3週間のオフの間、最速142キロ右腕エース片山楽生(らいく、2年)は、元巨人の桑田真澄氏(51)の著書「心の野球」を読破。4番も務める大黒柱は、“努力の天才”の言葉を糧に、24日のセンバツ発表を待つ。

雪上でキャッチボールをする白樺学園のエース片山(撮影・永野高輔)
雪上でキャッチボールをする白樺学園のエース片山(撮影・永野高輔)

オフの間、練習を休んだのは祖父母の家に顔を出した12月30日のみ。さらに帯広市内のホテルでホールスタッフのアルバイトもこなし、約5万円の収入は遠征費の足しになるよう、両親に渡した。元日は父宣孝さん(42)と高校の室内練習場で約1時間半の打撃練習を行った。桑田氏の著書には周囲への感謝や努力の大切さがつづられており「もっともっと自分に厳しくしていきたい」と、さらなる“イズム”注入を誓った。

室内練習場で打撃練習する白樺学園エース片山(撮影・永野高輔)
室内練習場で打撃練習する白樺学園エース片山(撮影・永野高輔)

寮の自室には常に複数の書籍をストックしており、年明けには古田敦也氏の本も購入した。「(捕手の)業天とこれを読んで配球を勉強したい」。筋力トレで、体重は明治神宮大会直後の72キロから8キロ増量し、この日の打撃練習では「バットをより振れるようになった」と効果を口にした。「楽に生きる」ことを良しとしない17歳。心も体も頭も常に磨きながら聖地を見据える。【永野高輔】

白樺学園・業天主将の腹部を触るエース片山(左)(撮影・永野高輔)
白樺学園・業天主将の腹部を触るエース片山(左)(撮影・永野高輔)

○…主将の業天汰成捕手(2年)はオフの間、トレーニングと並行して新十津川町の実家で灯油宅配の家業を手伝うアルバイトに精を出した。午前7時から午後5時まで1日約50軒を回り、雪上でホースを引っ張り給油。全身を使う業務で、体脂肪率をキープしつつ、体重はオフ前から1キロ増の83キロに上げた。「筋力アップに効果があったかも。春までにもう2キロぐらい絞れたら」と目標を挙げた。

○…この日は午前中に約1時間半、休憩無しでランニングやサーキットトレを行い、午後は約2時間、打撃練習やキャッチボールなどを行った。通常の始動日はフィジカルメニューで終了するが、センバツ代表候補としてボールを使った練習も加えた。戸出直樹監督(44)は「少しずつ肩を動かせるように。午前のきついメニューも脱落者が出なかった。(オフに)しっかり動いていたのが分かった」と手応えを口にした。

(2020年1月12日、ニッカンスポーツ・コム掲載)