選手たちを、ウイルスから守る! ヤクルトが30日、1軍キャンプ地の沖縄・浦添のロッカー室や食堂などにオゾンの力で除菌をする「エアバスター オゾン脱臭機」を2年連続で設置した。インフルエンザに加えて、今年は新型コロナウイルスの深刻化も懸念される。球団は選手の健康管理に今まで以上に力を注ぎ、注目のドラフト1位奥川恭伸投手(18=星稜)も参加する2軍キャンプ地の宮崎・西都にも初めて設置することになった。

那覇空港に到着する村上(撮影・狩俣裕三)
那覇空港に到着する村上(撮影・狩俣裕三)

ヤクルトの1軍キャンプ地ANA BALL PARK 浦添に、三友商事株式会社の「エアバスター オゾン脱臭機」7台が設置された。ロッカー室や食堂、トレーニングルームなどへの設置が完了。新たに導入した昨年はキャンプ期間中のインフルエンザ発症者はゼロ。同社の担当者は「オゾンは分解力が強い。100%ではありませんが、(感染の)リスクを避けることができる」と話した。

今年は2軍の宮崎県西都市の西都原運動公園野球場内にも設置する。5~7台をロッカー室やトレーニングルーム、食堂に置く。奥川が過ごす球場もオゾンによって守られる。1台が19万2000円(税抜)。総額約250万円以上をかけて選手の健康を維持する。

ヤクルトが2年連続で導入した三友商事株式会社の「オゾン脱臭機 エアバスター」(撮影・保坂恭子)
ヤクルトが2年連続で導入した三友商事株式会社の「オゾン脱臭機 エアバスター」(撮影・保坂恭子)

オゾンには安全にウイルスを除菌・分解できる効果がある。オゾン脱臭機は空気清浄器と違いドアノブやロッカーに付着したものも分解できるため、インフルエンザや結核対策として用いられる。新型コロナウイルスへの効果はまだ明確ではないが、担当者は「インフルエンザ対策としての経験上、リスクを下げる効果はおそらくある」という。「エアバスター」は、東京管内の救急車約300台に搭載。中国・武漢からチャーター機で帰国した体調の悪い人を搬送した救急車でも使用されたという。

球団は、例年より多いマスクを用意するなど対策を進める。小川GMは「選手には手洗い、うがいの基本を徹底させる」とした。この日、沖縄入りした選手はほとんどマスク姿。青木は「マスクは必需品。子どもにも言っていたので、手洗いとうがいは習慣になっている」と話した。セ・リーグ最下位からの巻き返しを図るシーズンへ、まずはキャンプから万全の状態で臨む。【保坂恭子】

(2020年1月31日、ニッカンスポーツ・コム掲載)