#休校になった君たちへ
楽天の選手が少年時代の“秘密トレーニング”を明かした。プロ野球選手を生んだ彼らの工夫とは…。
<弓削> 球界最長身タイの193センチ左腕は「ジャグリング」で手元の感覚を養った。きっかけは小学1年時にテレビで見た、かくし芸大会。「『すごい! これやりたい!』と思って、すぐに練習し始めました」。部屋で3個のカラーボールを両手でぐるぐると入れ替えた。最初はうまくいかなかったが、次第にボールを見ずにできるように。「ボールをつかむことで手指の感覚は良くなったかもしれないです」。長身から多彩な変化球を操る投球スタイルが培われた。
<石橋> 昨季8勝の右腕は「壁当て」で制球力を磨いた。小学1、2年、自室の壁の模様8カ所に、3メートルほど離れた位置から座ってゴムボールを投げた。「本当に遊びでやっていただけです(笑い)。公園で野球ごっこをして、家ではずっと壁当てをしてました」。カットボール、シュートを軸に左右打者の内角を果敢にえぐるスタイルの礎は壁にあった。
<小深田> ドラフト1位ルーキーは「新聞紙ボール」に食らいついた。小学生の頃、新聞紙を丸めてテープで固めたボールを父浩さんに投げてもらい、プラスチックのバットで打ち返した。1年生の頃までは両打ちだったが、自然と左打ちに。「打つことが好きだったのですごく楽しかった記憶があります」。打撃でも結果を残しつつある俊足堅守のルーキー。「新聞紙ボール」から開幕スタメンをつかむ。【桑原幹久】
(2020年3月20日、ニッカンスポーツ・コム掲載)