新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、世界各国で自宅待機命令が出される中、家に閉じこもる人たちは何とか気分を明るくして盛り上がろうと、様々なアイデアを絞り出している。欧米など、すでに1カ月近くロックダウン(都市封鎖)が続く国々で話題となっている「巣ごもりトレンド」をいくつか紹介する。
ドレス姿やコスプレでゴミ出し
外出自粛が長期化すると人に会わないため、ついつい気が緩んで1日中スウェットや部屋着で過ごしがち。ふと鏡を見て落ち込むという声も多く聞かれる中、外に出る数少ない機会の1つ、ゴミ出しのためにおしゃれをするというムーブメントが広がっている。
オーストラリア・シドニー在住のDJビクトリア・アンソニーさんが「#BinIsolationOuting」というハッシュタグをつけて、カクテルドレス姿でゴミ出しする写真と動画をインスタグラムにアップしたことが始まり。「家でドレスアップするなんて本当におかしいけど、この自主隔離生活で正気を保つにはこれしかなかった」とアンソニーさんは地元メディアに語っており、今では欧米でも多くの人たちがドレスアップしたり、コスプレ姿でBin(ゴミ捨て容器)を押す写真を投稿している。
金曜日はおしゃれの日
金曜日はおしゃれをして外食やナイトライフを楽しむ人も少なくなかったが、今はそれも叶わない。それなら金曜日だけは自宅で着飾って過ごそうという人が増えている。
元々アメリカの会社では、金曜日は「ドレスダウン・フライデーズ」というカジュアルな服装での出勤が認められる習慣があり、それを逆手に「ドレスアップ・フライデー」がSNSでトレンドに。ヘアメイクまでバッチリ決めて着飾った写真が数多く投稿されるようになった。ハロウィンのようなコスプレで、散歩を楽しむ人まで出てくるようになっている。
オンラインでイースター
イエス・キリストの復活を祝う大切な宗教行事「イースター(復活祭)」を迎えた12日、10人以上の集まりが禁止されているアメリカでは、教会でのミサに出席できない多くの人がオンラインでバーチャルミサに参加。高齢者が多い地域では、ドライブインミサと題して駐車場に並んで停めた車の中から参加できるミサも行われていた。
また、子どもたちの楽しみでもあるエッグハント(あらかじめ隠しておいたカラフルな卵を子どもたちが探す)もZoomやFaceTimeを活用したバーチャルで実施。復活祭の卵(イースター・エッグ)を運んでくるウサギのキャラクター、イースター・バニーとの記念撮影もドライブスルーで車の中から社会的距離を保って対面するなど、制限が多い中でも様々な方法でイースターを楽しんでいた。
日本でもZoomなどを使ったオンライン飲み会が人気のようだが、長期化する「おうち時間」を楽しもうと、世界各国の人々も今できることで工夫しているようだ。
【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】