阪神岩田稔投手(36)は「キングダム」に学ぶ。甲子園でブルペン投球を行うなど自主練習で調整中。チームの活動休止期間に、「おうち時間」を有意義に過ごしていた。
刺激を受けたのは「キングダム」だ。中国の春秋戦国時代を舞台にした人気漫画。「漫画もそうですし、動画を見られるやつで結構見ていました」と振り返る。ただのリフレッシュではない。「武将たちは常に戦争の中で、戦況を考えたり、自分たちの置かれている立場をちゃんと把握しながら行動している」と、中国統一を目指す武将の言動を分析。「自分たちも立場というか、そういうのは気にしながら。次に何をしないといけないのか、こういう風になるんじゃないかなと、予想を立てながら行動していかないと」。古代の物語から、マウンドで生きる精神論を学んだ。
戦いだけでなく、笑いにもこだわった。岩田が自粛中に意識したことの1つだ。「アホみたいに、わろてます」。コメディー漫画「浦安鉄筋家族」を大人買い。「楽しいことは笑ったらいい。生活の中で結構面白いことはいろいろ起きる。大体、笑いにつなげていくのが関西人。楽しく過ごさせていただいている」。コロナ禍で後ろ向きになりそうな状況だが、生粋の関西人は白い歯を見せて、乗り越えようとしている。
趣味のサイクリングをトレーニングにも活用し肉体改造。往復50キロの距離を1時間かけて走り、筋肉量の増加や体脂肪率の低下に役立てている。「開幕に向けてしっかり練習していくだけ」。15年目のベテラン左腕が、セ界戦国時代の制覇に貢献する。【只松憲】
(2020年4月28日、ニッカンスポーツ・コム掲載)